「ピーク・エンド」を活用して、研修の学習効果を高めよう。

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「ピーク・エンド」を活用して、研修の学習効果を高めよう。

こんにちは、学生インターンの小川功毅です。
突然ですが、「ピーク・エンドの法則」というものをご存じでしょうか?

心理学および行動経済学の分野において提唱されたもので、人の抱く印象、強く残る記憶についての概念です。
研修を設計する上でも非常に重要な観点ですので、本日は「ピーク・エンドの法則(Peak-End Rule)」とはなんなのか、また、どのように研修設計に活かすのか?ということをご紹介させていただきたいと思います。

ピーク・エンドの法則とは?

「ピーク・エンドの法則」とは、最も感情が動いたとき(ピーク)と、出来事の終わり(エンド)の記憶によって、その出来事の印象が決まる、というものです。

出来事のすべてを詳細に覚えておくことはできませんし、また、記憶というのは時間とともに薄れてしまいます。
このとき、その出来事全体の印象を左右するのは、最も感情が動いた「ピーク(頂点)」と、その出来事の「エンド(終わり)」である、ということです。

たとえば、私が高校時代を振り返ったとき、パッと浮かんでくるのは、留学をしたときの「ピーク」の思い出と、大学受験という「エンド」の思い出です。
そして、これらの思い出によって、高校時代全体の印象(挑戦をして、たくさん失敗して大変だったけど頑張ったなぁという印象)が形成されているのではないかと感じます。

研修のピークとエンド

この法則は、もちろん研修にも当てはまります。
研修において、どのような「ピーク」と「エンド」を設計するのかによって、参加者のどのような印象を与え、持ち帰ってもらうのかをデザインすることができます。
また、「ピーク」と「エンド」をしっかりとつくることで、印象に残りやすい研修になります。

たとえば、1日の単発の研修であれば、しっかりと「ピーク」が生まれるように盛り上がりを設計します。
また、中長期間にわたる研修であれば、特に重要なセッションを「ピーク」とし、さらにセッションごとに必ず1つの「ピーク」を設計すると、印象に残りやすくすることができます。

オンライン研修は、「ピーク」が作りにくい?

研修の「エンド」は、研修の最後であり、どのように締めるかというのは設計側の意図を比較的反映させることができます。
対して、どの瞬間を「ピーク」と捉えるかは人それぞれであるため、設計することが少し難しいのです。

さらに、昨今の情勢によってオンライン研修が増えていますが、オンラインであると、なおさら「ピーク」をつくり込むことが難しくなってきます。
オンラインだと五感が制限されてしまったり、他者の感情が伝わりにくいために互いに感情の起伏が起きにくかったりするのです。

画面越しでの会話だと距離感が生まれてしまったり、途中で集中力が切れてしまったりすることがあります。
また、一体感をつくることも難しく、盛り上がりをつくることが難しいでしょう。

ゲームが盛り上がりをつくる

そこで、ゲームを取り入れることで、比較的容易に盛り上がりをつくることができます。

もちろん、講義での話の面白さで盛り上がりをつくることもできますが、講師のテクニック等に左右されてしまい、また上記のオンライン環境での難しさも相まって、「ピーク」が作りにくいのです。

その点、ゲームコンテンツであれば、ゲームという仕掛け自体が盛り上がりをつくるため、講師のテクニック等に左右されることなく盛り上がりをつくることができます。
さらに、プレイヤーとして点数を競ったりクリアを目指したりすることで、参加者の集中力が増し、グループ全体の一体感も生まれます。

加えて、ゲームによって研修での学習内容を反復しながら実践することによって、学習内容を「ピーク」として印象に残してもらうことができるのです。

どんな「ピーク」にするのか

このとき、どんな「ピーク」にするのか、ということも考えなければなりません。
さきほど「ピーク」とは、最も感情が動いたときだとご紹介しましたが、どんな感情がピークとなるのか、については決まっていないのです。

そのため、参加者によっては、「最も楽しくて笑った瞬間」をピークと捉えたり、「最も発見があった瞬間」をピークと捉えたりすることもあるでしょう。

たとえば、レクレーション(懇親)を目的とする研修であれば、「わはは!」という面白さのピークをつくることで、盛り上がった/打ち解けた、という印象を抱いてもらうことができます。
また、しっかりとした学習目標がある場合には、「なるほど!」という知的な楽しさのピークをつくることで、理解が深まった/学びになった、という印象を持ち帰ってもらうことができます。

だからこそ、研修の目的に合わせて、どんな「ピーク」にするのかを想定して研修を設計することが非常に重要です。

コロナ禍で急増した「懇親」を目的とした取り組みについては、こちらをご参考にいただければ幸いです。

おわりに

今回は、ピーク・エンドの法則をご紹介させていただきました。
人の印象に関する法則なので、研修に限らず、チームマネジメントやプレゼンテーションの場でも活用することができます。

また、ピークの作り方は、ゲームの導入だけでなく、ディスカッションや話の盛り上がりを工夫することなどで作ることができるでしょう。

オンライン研修になると、なおさら盛り上がりやメリハリをつけることが難しいとは思いますが、ぜひピークとエンドを意識して、印象に残り学習効果の高い研修にお役立ていただければと思います。

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