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遊びには分類がある??ゲームを考える上での「遊びの分類」とは

インターンの和田です。「ビジネスゲームとは」というコラムがあります。
マニアックですが、「ビジネスゲームとは?」という問いの以前に「ゲームとは?」という問いも立てられます。

このコラムはゲームと近い概念の「遊び」についてです。
遊びという言葉は誰もが聞いたことがありますが、「遊びとはなにか?」という問いには答えを出すのが難しいです。この問いは哲学的であるがゆえに、先人によって長年研究がなされてきたテーマでもあります。

今回はフランスの社会学者ロジェ・カイヨワ(1913-1978)が書いた遊びの分類の評論「遊びと人間」について書きます。

遊びは6つの要素からなる

フランスの社会学者ロジェ・カイヨワは主著の一つ「遊びと人間」で遊びを以下の6つの活動に該当するものとして定義しています。

①自由な活動
遊戯者が強制されない活動である。
②隔離された活動
あらかじめ空間と時間が決められている。
③未確定の活動
ゲーム展開が決定されていたり結果が分かっていてはならない。
④非生産的活動
ゲーム内での財産の移動を除いてゲーム開始時と何も変わらない。
⑤規則のある活動
ルールに従って行う。
⑥虚構の活動
日常と比較して明確に非日常であるという認識のもとに行う。

これらは一般的な「遊び」のイメージと一致するもので、誤解なく解釈できる部分ではないでしょうか。
ボードゲームなどを想像してみると、この定義では「遊び」=「ゲーム」と言えそうです。

遊びの4分類

続けてカイヨワは遊びは4つの分類ができると主張します。

①アゴン(Agon)
「競争」のかたちをとる遊びの群。スポーツはもちろんのこと、個人・団体を問わず、また道具の有無も関係なく競争の形式をとるものがこれに含まれます。
ex. ボクシング、サッカー、オセロ

②アレア(Alea)
ラテン語で「サイコロの遊び」を意味し、独立の決定の上に成り立つゲームの一群を指します。アゴンが遊戯者の力の優劣によって結果が左右されるのに対し、アレアは遊戯者の力が及ばないところで勝負が決定する点で対照的だと主張します。
ex. 賭け、ルーレット、富くじ

③ミミクリ(Mimicry)
ミミクリは英語ではmimic(真似)にあたり、その人格を一時的に忘れ別の人格を装う虚構の世界における一人格を演じる形式をとるものを指します。
ex. 仮面、子供の物まね、演劇

④イリンクス(illinx)
イリンクスは「眩暈(めまい)」という意味です。ジェットコースターなどに乗った時のめまいや絶叫を表しています。そうした眩暈や失神に似た状態を伴う遊びの形式をこれと位置付けています。
ex. メリーゴーランド、ぶらんこ、空中サーカス

遊びの2軸~ルドゥスとパイディア~

カイヨワはまた違う次元で遊びには二つの軸があると説明します。それがルドゥスパイディアです。

つまり遊びは種類によって、下の図のように分けられます。

カイヨワは、前者は『無償の困難を求める嗜好』、後者は『即興と歓喜との原初的な力』という風に定義しており、簡単には簡単には前者は競技的なもの、後者は遊戯的なものと説明しています。

これをもとに前述の4分類と合わせて、遊びを分類したのが本書の要旨でした。

(図)上から下へパイディアの要素が減少していき、逆にルドゥスの要素は増加する
遊びの分類表

まとめ

カイヨワの分類からは多くの気づきが得られます。遊びに関しては種類によって分けることはあっても性質で分けることはほとんどないので、ボクシングとオセロがこうした切り口で見ると同一カテゴリに入るというのは面白い気づきです。

当社のビジネスゲームを考える上ではルドゥス、パイディアの二軸が興味深い観点です。どうしても①ルールを伴い、②学びという目標があることから、ビジネスゲームにおいてはパイディアの要素は小さくなります。強いて言うならアレア(運)に関してはパラダイスなどにその要素が見られますが、それでも運の要素は極力減らして、ビジネスでの学びが得られるような設計にしています。
当社のビジネスゲームが「遊び」ではなく「ゲーム」なのは、娯楽的な要素を排除して、学びに特化したものだからといえるでしょう。

上半分が寂しくなることが容易に想像できますが、当社のビジネスゲームを図の象限に当てはめてみるのも面白いかもしれませんね。

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