アクティブリスニング・傾聴周辺のゲーム研修の開発背景(2) | カレイドソリューションズ

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アクティブリスニング・傾聴周辺のゲーム研修の開発背景(2)

「5W」商品画像

傾聴に関しては、「聴衆力」「リア王」「5W」「傾聴職人」という研修ツールを併せてリリースした。これらのうち「聴衆力」「リア王」についての開発背景は「アクティブリスニング・傾聴周辺のゲーム研修の開発背景(1)」で述べた。同コラムの最後に述べたように、「問い」をテーマにし、なんでもない会話が終わった後に幸せだったと感じられることを目指した「5W(ゴダブリュウ)」と、これら3つをまとめて学べる「傾聴職人」をリリースした。

今回は、「5W」と「傾聴職人」について書きたい。

まずは「5W」について説明しよう。

問いは論点を掴むために用いる

「質問」や「問い」に関する研修の要望はかねてから多い。これは日々の仕事での利用場面の多さを示唆している。例えば、会議のファシリテーションは、問いなくして進まない。また、新しいアイデアを発散したい、他者の思考を深めたい、相手の意図を明確にしたい。こうしたときに問いは必ず用いられる。

部下の立場で考えてみよう。上司からの指示に不明点があった際に、不明確なままでいきなり手を動かしたらアウトだ。重要なことであれば、問いを通じて、明確にすることが自分の仕事を前に進めることになるだろう。また、上司の立場であれば、部下との1on1の場面で、部下を詰める詰問しかできなければ、1on1に乗り気な部下はいなくなってしまう。1on1では仕事を進捗させたり、相手の思考を深める必要があるからのだ。

相手の思考を深め、進捗を促す問いはパワフルだ。だから、論点を把握するためのクリティカルシンキング 等の研修でも問いを用いるのである。

プロフェッショナルは問う姿勢をもっている

医師、コーチ、弁護士、コンサルタント、こうした人たちは問いを仕事にしている。医師は問診を通じて、症状から病気の可能性を絞ること、コーチは相手に寄り添い、考えを引き出すこと、弁護士は事実と論理を明確にすること、コンサルタントは構造を把握することに問いを用いる。

これらの仕事に共通することは、それぞれに職業倫理があることだ。会話をする際に、長年の業務経験を通じて、「姿勢」が整っていることが多く、その姿勢とは、会話の相手への「コンパッション(思いやり)」である。コンパッションが重要なのは、一般の商談や会議等におけるヒアリングでも同じである。

当社の「雑技談」では雑談のルールとして「相手に興味を持つこと」をはじめとした五原則を提示しているが、相手への興味が会話の原点なのはいうまでもない。ただし、原点ではあるものの、一朝一夕で習得できるものではないのが悩ましいところだ。このため、研修の役務範囲としては広すぎる。研修はあくまで示唆する場、もしくは確認の場であり、その後の長年の仕事経験で育むものなのだ。

このため、反応のパターンと同様に問いについてもやはり「型」が基本であり、それを学ぶことが最終的に相手へのコンパッションにつながる。

問いの力と会話が続かない人のコミュニケ―ション

問いは強い力をもつ。問われて答えないわけにはいかない。つまり、強制的にキャッチボールを生むことができるため、使いこなせれば強いのだ。裏を返すと、問いを使えば、相手が考えてくれて話してくれるわけだから、話し手がネタを考えるのと比べて、楽ができるともいえる。このようなコミュニケーションができる人は「コミュニケーションがうまい」と言われることが多いだろう。

更にいうと、話の下手な人は、ひたすらネタを考え、それを投げかけ、ネタが尽きるとコミュニケーションが終了することがある。営業の初級者が話すことがなくなった途端にフリーズしてしまうことがあるが、その理由は実は会話をしていないことである。会話に見えるが、自分のネタを壁に投げているだけなのだ。ネタを投げるのは実は上級者向けである。相手がそれを面白がってくれるかが分かっているからネタを投げて話が盛り上がるのだ。見当違いのネタを投げていたら、反応してくれる人もいるだろうが、そうでない人もいるから、外れてしまうことがある。こうした本質に気づけていないと、共通の話題を見つけたり、ネタ作りに終始することになるし、自分の土俵でない場合は会話についていけないということになる。だから、相手との接点を作るツールとして「問い」は重要なのだ。

傾聴職人

次に「傾聴職人」の開発背景を説明しよう。

MECEのように厳密に分けることができるものばかりではない。このように3つに分けることは、一部重複することもあれば、逆に漏れが発生することもあるだろう。情報システムを作る際は、巨大なものを一度には作れないから、部分を作成した単体テストをした上で、つなげても正しく動作するかを確認するために結合テストを行う。「聴衆力」・「リア王」・「5W」を結合するものも必要になるのではないか。そうした発想から考えたのが「傾聴職人」である。

「傾聴職人」は、当社のコンテンツに詳しい方は由来がすぐに分かるだろう。元ネタは「FB職人」である。「FB職人」はフィードバックの匠(マイスター)になってもらいたいという思いから開発された「ずっとも」シリーズの最新作 である。工場向けソリューションの提供のひとつとして、FB職人-工場版-もリリースされている。これはノンテクニカルスキル教育(ノンテクスキル)としてご活用いただいている。

「FB職人」は、ロールプレイングを行う中で、ロールプレイングに評価基準を設けている。その評価基準が順次4段階に分けて開示していくことで、段階的な学習が可能になる。この仕組みを傾聴に適用したのが「傾聴職人」だ。4段階を、傾聴姿勢・リアクション・質問の3段階と、新たにそれらの結果(話し手がたくさん話していたなど)を加えることで、3コンテンツの隙間を埋めつつ、3コンテンツの結合、大局的理解を可能にしたのである。

質問力強化ツール「5W」

傾聴総合学習ツール「傾聴職人」

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