研修参加者の理解を深める工夫

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研修参加者の理解を深める工夫

今回は、珍しく「理解を深めるには」というテーマでコラムを書きます。

研修で、参加者の理解をどうやったら深められるのだろう。
また、OJT等で、どうやったらわかってもらえるのだろう。
そういったことを考える場面は多いのではないでしょうか。

もちろん、インストラクションの方法や学習への動機付けにはさまざまなアプローチがあるのですが、今回は私が得意としている方法について書きたいと思います。

言葉を説明する

まず、日本人に対して、英語でインストラクションをした場合、日本語でするよりも伝わりにくいのは当然ですね。つまり、相手が分かる言葉で伝えなければなりません。もちろん、みなさんは英語では話していないとは思いますが、例えば、横文字の多用や、日本語でも意味が誤解されがちな言葉や、意味を深く考えられていない言葉を用いるとそもそも伝わりにくくなります。

私は財務分析の研修を行いますが、そこでは「成長」「収益」「安全」「効率」といった日本語について説明を求めることがあります。そこで、こうしたありふれた日本語が実は良く理解されていないことが分かります。ほかにも、問題解決であれば「問題ってなんですか」、プロジェクトマネジメントでは「プロジェクトって?」「マネジメントって?」、ロジカルシンキングでは「ロジカルって?」「論理って?」というところを説明します。

部分と全体

次に、研修にはテーマがあります。例えば、ロジカルシンキングや段取り、財務会計など、その領域は広範であることが多いです。ここでのアプローチは二つあり、全体を一望させることと、部分を理解させることとなります。

全体を一望する

全体を一望させるには、例えばビジネスシミュレーションが有効で、経営シミュレーションであれば経営全体、マーケティングシミュレーションであればマーケティング全体、もう少し粒を小さくして、営業トークの全体といったものもあります。このように学習テーマの全体を理解させる仕組みがあると大局観が持てるので、「今、何を勉強しているのか」が見えやすくなります。(もちろん、何のために学ぶか、その内容を学ぶことで、何が実現できるのかといった大人の実利性にアプローチするのも重要です。)

部分を型の反復で学ぶ

逆に、部分を理解させることも重要です。全体は、部分と部分の集合体であることが多く、それぞれが分かっても、部分が分からないと結局実務力は上がらないことが多いためです。こうした要素還元的なアプローチには、専門性があがり俯瞰できなくなるというデメリットもありますが、全体と併用すれば何も問題がありません。部分を学ぶ際に重要なのは「型」とその「反復」です。パターンや類型と呼ばれることもありますが、基本となる「型」を知識付与し、それを「反復」することで定着させることができます。

1.型で学ぶ

守破離という言葉があります。型は守にあたり、堅苦しいものですが、まずはそこを抑えることの重要性はみなさんが良くご理解されていると思います。この型は業務でいえばマニュアルのようなもので、最低限抑えるべきものであるのと同時に、世代継承可能な「共通言語」になります。ここをきちんと学習することで、世代間で逸脱が発見しやすくなります。

当社では、この「型」を独自に開発していて、新たなフレームワークを多々生み出しています。例えば、「それいけ!ソンタック」では「他者の気持ちを洞察する」「他者がどのように考えを発信するか」といったことを概念図としてビジュアル化しました。また、「段取りチキン」では段取りの手順を整理しています。

2.反復して学ぶ

反復というと、学校のドリルのようなものをイメージして、かなり暗鬱とした気分になりますね。ただ、反復は辛い反復と辛くない反復があることが分かっています。みなさんは、テレビゲーム等で、失敗しても何度も何度も繰り返し挑戦したくなったことはないでしょうか。

イェスパーユールの「しかめっ面にさせるゲームは成功する」という学術書がありますが、そこでも失敗しても再挑戦させるゲームは良いゲームといった記載があります。つまり失敗しても次によりよい結果を期待させるようなものの反復は辛くありません。これは、モチベーション理論の期待理論を引くまでもなく、自明なことです。

つまり、ゲーミフィケーションの要素を入れることで、辛いと感じる反復を苦も無く繰り返し、また反復することによる確実な「型」の定着を促すことができるのです。

当社における全体と部分の設計の例

当社では、人材開発領域においては仕事の型となる基礎スキルが整うきっかけを提供できれば良いと思っています。その道の匠になることは研修の守備範囲ではありません。全体と部分をつなげている例を2つあげます。

まずは、大きなところでいうと、コミュニケーションスキルです。ここにはさまざまなスキルセットがありますが、コミュニケーション全体を学ぼうとすると、長大な時間がかかります。そうした際に「話す」と「聴く」で分類することがあります。このように分類を見せることが全体像の把握です。そうした際に、例えば「話す」であればアサーティブコミュニケーションやロジカルコミュニケーションなどがカバーすることになります。

次に、少し粒を小さくします。「聴く」だとどうでしょうか。聴くであれば、まず、「聴く姿勢」、「反応」、「問う」といったものが全体像になります。当社はとあるツールを近日リリースしますが、それが全体像を学ぶツールです。では部分はどうでしょうか。聴く姿勢を学ぶについては「聴衆力」、「反応」については「リア王」、「問う」についてはもう一つ別なコンテンツでカバーするような仕組みになっており、この併用で理解を深められるようになっています。

まとめ

このように、以下のやり方が私の鉄板の学習の成功法則になっています。当社の大半の研修は、以下の1を講義でしっかりと説明し、2をゲームやワークを用いて体感的に学習できるようになっています。もちろん、場づくりや振り返り等も重要ですが、そういった汎用的な話は私が書かずとも多くの方がかいておりますので、それを参考にしてください。

もし、各研修にご興味がございましたら、是非お問い合わせください。

①相手に伝わる言葉で説明する
②部分と全体
 ア)全体を一望する
 イ)部分を型の反復で学ぶ
  ・型で学ぶ
  ・反復で学ぶ

傾聴姿勢学習ツール「聴衆力」

リアクション強化ツール「リア王」

情報受発信力向上ツール「それいけ!ソンタック」

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