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ビジネススキルとしての論理的思考は、間主観性を目指す?

インターンの小川功毅です。
今回のコラムでは、「ビジネススキルとしての論理的思考は、間主観を目指す?」と題して、弊社の講義型研修の一つである筋道を立てて考える -ロジカルシンキング-の内容の一部を抜粋しながら、論理的思考について考えてみたいと思います。

ビジネスにおける論理的思考とは?

論理的思考(ロジカルシンキング)とは、筋道が通った状態へと導くための思考様式です。
そして、この論理的思考がビジネスシーンにおいて非常に重要なスキルであるとされるのには理由があります。それは、関係者の間での合意を形成するために必要とされる能力であるからです。

日ごろの様々な場面で、社内外でのコミュニケーションが発生しています。その際、論理的思考のスキルがなければ、認識にズレが生じたり、話がかみ合わなかったりしてしまうでしょう。
そこで、論理的に話が進むことで、共通の認識を持つことができ、関係者の間で納得感を持つことができます。
だからこそ、ビジネスにおける論理的思考とは、関係者の間での合意形成の基盤であり、日ごろのコミュニケーションにおいて非常に重要なスキルなのです。

間主観を目指す

そのため、ビジネスにおける論理的思考では、“認識の間主観性”が目指されます。
論理学で扱われるような論理とは異なり、お互いの認識がすり合わさっていることがゴールになります。
“間主観”とは、共通の認識が形成されている状態であり、当事者間で合意が成り立っているということです。間主観性があることで、共通の認識の上で、共通の問題意識を持ち、原因を分析し、仮説を立て、解決策を考えていくことができるのです。

では、いかにして間主観性が生まれるのでしょうか?
今回は「批判的思考」「構造化」「論点を捉える」という3つの考え方を紹介させていただこうと思います。

1. 批判的に問うことで思考を深める

批判的思考(クリティカルシンキング)とは、改善を目的に、情報を批判的に問うことです。(この「批判的」ということについて掘り下げたコラムは後日公開予定です)
この批判的思考では、「問う」ということが基本的な思考の型になります。

何らかの事象に対して、「Why?(なぜそれが起こるのか)」「So what?(だから何が問題なのか)」「True?(それは本当に正確なのか)」というような問いを投げかけていくことで、思考が深まっていくのです。
このような問いを投げかけなければ、「Why?」「So what?」「True?」は暗黙の前提として流されてしまいます。
両者の間で「Why?」「So what?」「True?」の認識にズレが生じてしまえば、間主観性は成り立ちません。

そのため、問題意識を共有し、原因や仮説について共通の認識を持ち、解決策をともにつくっていくためには、批判的に問いを投げかけながら、両者の認識をすり合わせていくことが必要なのです。

2. 構造化によって全体像を把握する

あらゆる事象は、「要素」と「関係」によって成り立っています。
そして、構造化とは、この要素と関係をわかりやすく整理するための工程であり、事象の全体像を見ることができます。
この構造化を容易にするために、ピラミッド構造、ロジックツリー、フローチャート、マトリクスなどの様々な思考ツールが存在し、これらの思考ツールを駆使することで事象の構造が整理されていきます。

構造化は、間主観の形成にあたっても非常に重要です。
今話している事象は、どの要素と関係していて、どんな影響を及ぼしているのか。相手は全体像をどのように認識した上で、その話をしているのか。このような「要素」と「関係」についての認識や、全体像の認識は、コミュニケーションの土台となっているため、少しのズレであっても話がかみ合わなくなってしまうのです。

だからこそ、事象の構造を共有することで、要素と関係や、全体像についての間主観を形成することができます。

3. 論点を捉える

加えて、間主観性のためには、互いに同じ論点を捉えることが不可欠です。
なぜならば、論点とは議論の中心であり、何のために何の話をしているのか、ということが認識の前提となるからです。
論点がズレてしまっていると、例えば、企画の構想を相談しようと思っていたのに、いつしか集客や宣伝などの方法についての議論にすり替わってしまい、結局何も決まらなかった、というようなことが起こってしまうかもしれません。
このように、話がかみ合わなかったり、認識にズレが生じたりすることを未然に防ぐためにも、両者の間で共通の論点を捉えることが重要なのです。

さらに、論点を適切に捉えるためには、この論点はどの論点と関係があり、どのような影響を及ぼすのかということが定まっていなければならず、事象を正確に構造化していることも求められます。
このように、論理的思考というのは他の思考プロセスと絡まりあっており、一朝一夕で身につくようなスキルではなく、実践を踏んでいく中で会得されていくものなのです。

おわりに

論理的思考は、日ごろから意識するなかでも鍛えられていきます。
批判的に事象に問いを投げかけて思考を一段深めてみる。要素と関係を意識し、構造的に整理しながら全体像を組み立ててみる。会話の初めには論点を握り、共通認識をつくる。
このようなことを意識しながら、自分でも論理的思考を身に付けていけたらと思っています。

なお、今回ピックアップしている項目は「ロジカルシンキング研修」のほんの一部です。
「ロジカルシンキング研修」では、「因果関係」「論理的推論法」「空・雨・傘」「ラベリング」「水平思考」など、さまざまな角度から論理的思考を学習することができます。
本研修の詳しい内容についてご興味を持っていただけましたら、以下のお問い合わせフォームよりご連絡ください。

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▼商品ページ「筋道を立てて考える -ロジカルシンキング-」
https://www.kaleidosolutions.com/service/lecture/logicalthinking

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