ビジネスを舞台にしていないゲームの発掘【温故知新PJT】 | カレイドソリューションズ

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ビジネスを舞台にしていないゲームの発掘【温故知新PJT】

当社はビジネスゲームという言葉を用います。この言葉には、ビジネスとはゲームであるといった意味や、文字通りのビジネスのゲームという意味もありますが、わざわざビジネスをつけるとどのような意味になるのかというと、いくつかの意味があります。

以前、東京工芸大学の「シリアスゲーム論」という授業でゲスト登壇する機会がありました。その際に、整理したのですが、ビジネスゲームといった場合に、ビジネス「で使う」ゲームと、ビジネス「を舞台とした」ゲームという意味があるんです。

例えば、市販のゲーム機で販売されている起業家育成のようなものも、例えば採用イベントのようなビジネス用途で使うものも、広い意味では含まれます。

当社のビジネスゲーム

当社は、研修というビジネスで、ビジネスを舞台にしたゲームを用いているので、範囲が最も狭いビジネスゲームを提供しているということになります。自社を研修領域の会社として位置付けているので、当社の名前では、採用系のイベントにコンテンツを提供したり、BtoCや衆目にさらされる場にゲームを出展したりはしないというポリシーがありますが、採用事業者様からのご依頼でゲームを作っていた時期があります。今は一切そうしたことはしなくなっていますが、かつては食べていくためにそうしたことをしていた時期もあり、それが糧となって将来的な飛躍につながっているところも否めませんので、温故知新プロジェクトを機会にそうしたものも洗い出していこうと思います。

警察24時

今回は創業から1年位の2009年の4月に開発した「警察24時」というゲームを紹介します。このゲームはビジネスをテーマにしておらず、警察とテロリストの戦いをテーマにしています。元々は、採用人数が多い会社で、どうしても仲良しグループができてしまい人脈が固定的になってしまうという問題を解決するために、大勢と会話ができる仕組みをゲームとしました。特徴的なのは、80-100名に限って使用できるということです。

クラス全体で課題を解決するゲームで、テロ組織「アルファ」が町中の通信を遮断。犯行声明が届き、市内に仕掛けた爆弾を解除せよというものです。生活安全課と刑事課、科学技術課、情報戦略課のロールに分かれます。生活安全課は危機を発見でき、刑事課は逮捕が得意、科学技術課は爆弾が解除でき、情報戦略課は情報を伝えられるという役割です。24時間という時間内に、各自が意思決定を行っていくのですが、会場内のテーブルに分かれていてテーブル内の警察官としか話ができません。

巡回をするとテロリストと爆弾が発見され、発見されたテロリストと爆弾は逮捕や起爆装置解除ができるようになります。情報発信をすると、講師に情報を渡し、講師経由で情報が伝えられるようになっています。

特に面白いのは、イベントによって、テロリストが増え、人数が増えると、爆弾を仕掛けてしまうのです。更にテロリストはシンパを増やしますので、放置するのは危ないということになっています。

このゲームでは、「チュートリアル」や「イベントによる難化(強力な爆弾・テロリストのリーダー)」などがあったり、現在の状態を知らせる仕組みとして、「爆弾残り9」などの煽りなど、楽しんでもらうためのイベントをたくさん用意しました。最後はスターウォーズ風のテロップが流れる、など、パワポでできる限りの技術を詰め込みました。ちなみに、さまざまな効果音を入れたのですが、聞いた人たちは爆笑でした。

最後に、学生と社会人の違いという今ではやりにくいコンテンツを入れ、学生はプロセス志向、社会人は結果志向。個人とチーム、同年代と幅広い年代、気の合う仲間と気の合わない同僚などというような話を入れ、チームに目を向けるようにした記憶があります。書籍「真実の瞬間(リンク)」にあった「石切り場にやってきた男が、石工に何をしているかと尋ねた。1人の石工は不機嫌そうな表情で「この忌々しい石を切っているところさ」とぼやいた。別の石工は満足げな表情で「大聖堂を建てる仕事をしているんだよ」と誇らしげに答えた。完成した暁の大聖堂の全容を思い描くことができて、しかもその建設工事の一翼を担っている石工は、ただ目前の花崗岩を見つめてうんざりしている石工より、はるかに満足しているし、生産的だ。」といった話もここで初出になっていました。

本ゲームは、一時期当社の屋台骨となっていた「アルティメットチョイス」「トナリノココロ」のルーツとして、非常に重要なゲームなのですが、今までコラムに書いたことがありませんでしたので、改めて書いてみました。

過去の研修を発掘する「温故知新プロジェクト」はじめました。

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