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ケースのゲーム性の発掘【温故知新PJT】

ケースの開発も当社はかなりの数を行ってきました。基本的には研修用のケースを開発していますが、前職でケースメソッドの講座に参加する機会を頂いたことと、人文系というバックグラウンドが少なからず生きていると感じます。特に、私の作るケースは伏線が多く、生成AIでは現時点ではまだ作れないだろうなと感じることもあります。

ケースのゲーム性

ケースにもケーススタディがあったり、ケースメソッドがあったり、色々なものがありますが、いずれも第三者的な目線で、起きていることを俯瞰したものが多いように思います。ただ、私の書くケースは少し特徴的だなと思うんです。こうしたケースは、昔から書いていますが、ゲーム開発を始めてから書くケースは、「ジレンマ構造」の再現が非常にうまくなっています。

ゲーム開発は、システム思考と切っても切れない関係があります。必須の知識と考えているのが「システム原型」です。システムというのは仕組みのことで、システム思考の中で使われるのがシステム原型です。システム原型というのはその典型的なパターンのことで、パターンは時に衝突することがあります。※システム原型について学びたい方は、「システムシンキングトレーニングブック」をご確認ください。

当社は、ゲームが強いと思われていますし、実際にそうなのですが、ゲームを作るというのは教育コンテンツ制作のなかで最も難しいと言われます。ゲーム開発は、人の心理の探求です。このようなインプットをしたらどう動くか、どんな気持ちになるか、それを何度も何度も考えて作っては壊しを繰り返して作ります。

それを作り続けた経験は、ケースにおいても「参加者を(知的に)楽しませる」という話とつながりますし、講義においても同じです。ゲーム開発から研修のコンテンツ開発に入ったことは、「教えてあげる」という教育者にありがちな姿勢ではなく、参加者の幸福を考えるという姿勢につながります。この点については、当時傾注していた「ポジティブ心理学」と絡み合い、2014年のHRサミットで「経営と人材開発担当者(講師)と参加者全ての幸せを考える」という趣旨の話題提供につながりました。

大長編のケーススタディを書く

仕事の活動として、大長編のケースを作ったことが2度あります。同じ会社での営業組織における開発で、一作目を気に入っていただいたことで二作目もご依頼いただいたのですが、一つ目が「理念」に関するもので、二つ目が「組織攻略」に関するものでした。

一作目のケースでは「理念」を扱います。まず、営業目標と一人の人命を天秤にかけるという厳しい選択をテーマにしています。営業組織がある中で、自分が「個」としてするべきことは何かを迫られます。多くの人が「自分で」「一人の人命を」優先する中で、「組織で」「大勢の人命を」という見えにくい比較軸を設定してクリエイティブチョイスができるかというケースです。

二作目のケースは「組織攻略」です。組織の攻略は私自身もさほど経験がないですが、簡略化すると、会長・社長・部長・専門職・スタッフ職、そしてその家族やパートナーといった群像劇のようなものを描き、読み解くと分かる人間関係から、攻略できなさそうな組織の糸口を探していくというものです。

とあるお客様向けに作ったものなので、詳細は書けないのですが、かなりの分量のケースでした。

書くことで楽になる

私は習慣的に、嫌なことがあったときにそれを昇華させるためのストレス発散術として書くことがあります。心理学では「ジャーナリング」と呼ぶそうです。ケースを書くこともあれば日記を書くこともあります。最近はnoteというメディアに書くことが増えています。このコラムももしかしたらそうなのかもしれません(笑)書くことによって、客観視でき、ふっと楽になることがあるのです。

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