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人はどのように意思決定するのか(経済学編)

こんにちは、インターン生の渡邊です。

今回から、経済学編として、「人はどのように意思決定するのか(今回)」と「意思決定は何に影響されるのか(次回)」に分け、意思決定についてのコラムを書いていきたいと思います。

最適な意思決定を行うには?

皆さんは、意思決定について意識的に考えたことがありますか?
意思決定の場面は生活の様々な場面で訪れます。例えば、今日はどの服を着て出かけようかとか、お昼ごはんはどこで何を食べようかといった具合に。
このような場面においては、私達は特に深く考えることもなくあっさりと意思決定を下すことが多いです。

一方で、家や車など高額商品を買うときや、会社経営をしているときの投資判断など、動く金額が大きくなると人間の意思決定は極めて慎重になりがちです。
ところが、動く金額や影響が大きいからといって意思決定の質が上がるかというとそうでもありません。

例えば、車を買ったときに高額なオプションを何も考えずにつけてしまい、あとになって後悔したことはありませんか?
金額や影響の多寡に関わらず最適な意思決定を行うにはどうすれば良いのでしょうか?
そしてそもそも最適な意思決定とはどのようなものなのでしょうか?

意思決定とは

意思決定とは、人が何らかの目標を達成するためにある状況下における複数の代替案から最善の解を導き出そうとする営みのことです。

人がどのように意思決定を行うのか・行うべきかについては古くから関心が集まり、様々な議論が行われてきました。実際、意思決定に対する学問的アプローチは経済学的アプローチ・経営学的アプローチ・システム分析的アプローチ・行動科学的アプローチ・組織行動論的アプローチなど多岐に渡ります。

今回と次回はこの中から経済学的アプローチ、特に合理的個人を仮定した主流派経済学的なアプローチについて紹介していきたいと思います。

経済合理性の意思決定の2つのルール

経済学の分野において優れた意思決定とされるものは経済合理性を伴います。経済合理性とは、経済的な価値基準(例えばお金)に沿って論理的に判断した場合に利益があると考えられる性質や状態のことを指します。

経済学的アプローチによる意思決定においてはいくつかのルールがあります。
1つは完備性です。完備性とは選択肢集合においてどのペアについてもどちらがより好ましいか決められる性質のことです。
2つ目は推移性です。推移性とは選択肢集合において「選択肢aがbより好ましく、bがcより好ましいなら、aはcより好ましい」という関係が成り立つ性質のことです。

選好関係と効用関数

また、aがbより好ましいといった関係を選好関係と呼びます。さらに、それぞれの経済主体(たとえば個人や企業)の選好関係を反映した関数を効用関数といいます。効用とは、嬉しさのようなものです。経済学的に最適な意思決定では、完備性・推移性を満たし選好関係の成り立つ選択可能な集合の中からそれぞれの効用関数に沿って効用を最大化させる最適な選択肢がとられます。

意思決定の経済学的アプローチにおいてはこの選好関係と効用関数の存在が前提となり、さらに意思決定が下される環境も重要です。これらをすべて考慮することで、経済学的に最適な意思決定がどのようなものかが見えてきます。次回では、意思決定が下される環境について説明していきたいと思います。ぜひご覧ください。

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