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フレームワーク暗記ツールの開発背景(前)

ロジカルシンキングを学んでもなかなか成果が出ない!?

「ずっとも」で提供されるツールは、とあるお客さまへご提案したプロトタイプを形にしたものが多い。「ザ・フレームワーカー(以降、本作)」は、とある物流の会社でご提案したものだ。ゲーム開発は情報システムの開発と同じく、小規模なものでも数百万円は必要になるため、費用がネックとなりご発注いただけなかった。本作はこのツールの一部を形にしたものだ。このお客様は、熱心にロジカルシンキング(以下、ロジシン)を教育しているのだが、一方で、ロジシンの学習が短期的に機能せず、悩んでいた。以下がロジシンの研修では解決しないのだ。言葉は固いが、ご提案時に整理した情報をそのまま紹介する。

  1. 各事象を見た時に、その上位概念が何かをイメージできない
  2. 個別の概念を見た時にその並列概念が想像できない
  3. 論理チェックができない
  4. 上記を習慣化できない

少し細かく書くと、1)は「具体から抽象」という話であり、縦の論理である。「視座」を高く持つ話だ。2)は類似概念の「発想」の話であり、「視野」を広くもつ横の論理の話だ。3)は縦横の論理性、つまり演繹の正しさを確認する話である。4)は習慣化の話である。本作のスタートラインはこれらの問題の解決にあった。

習慣化できるかを決めるのは、意志ではなく「トリガー」

4つ目の「習慣」について、ハーバード・ビジネス・レビューに記載されていた逸話を紹介したい。

ある修道院の教育係は、新人の修道女が入るたびにこう尋ねるという。「なぜ私たちは祈るのでしょうか」と。この素朴な問いに新人たちは「神様に近づくため」や「気持ちが穏やかになるから」などさまざまな答えを出す。ところが、教育係はそのすべてを否定し、こう諭すという。「私たちが祈る理由は一つしかありません。それは、祈りを告げる鐘が鳴るからです」

この逸話は、習慣を自力で作ることは難しく、「ルール」と「トリガー 」によって成り立つことを示唆している。「鐘が鳴ったら祈る」がルールであり、「鐘が鳴ること」がトリガーだ。つまり、習慣化するには、「要素を見たら他の要素と上位概念を考える」という「ルール」を作り、日常生活で「要素を見た」ら、それを「トリガー」として考えることが重要だ。

ということは、事象を見て上位概念をイメージする習慣がないなら、事象を見て上位概念を考える活動を反復訓練すれば良い。ゲームのもつ「反復訓練が苦痛でない」という性質を利用すればよさそうだ。しかし、ロジシンの研修ではこの部分を切り出して反復訓練しない。

次に、並列概念が考えられないなら、人の認識パターンを参考にすれば良い。人間はありのままに物事を理解できない。人が物事を理解する際には、類似の概念と比較したり、線を引く。つまり、発想が貧困な人はアナロジー で考える力が弱いとも言える。アナロジカルシンキングではパターン認識 が重要になる。「これはあのパターンに似ている」と認識する力である。パターンを持っていないと考えるための取っ掛かりがないのだ。これは経験豊富なビジネスパーソンが様々なことをすぐに発想できるにもかかわらず、頭が柔らかいはずの新卒者から意見が出てこない話とも重なる。つまり、パターンのインプットが不足しているから考えられないのである。であれば、インプットの不足をなんとかすれば良い。

最後に、論理チェックだが、日常生活で論理チェックする場面にはほとんど出会わない。個人で完結することは自分の頭の中で完結するため、論理の開示は求められない。しかし、他者が絡むと途端にロジカルに考える必要性が生まれる。ゲームでは他者が関わる。ゲームの中で、「これって、もしかしてグループが違うのではないか、それはなぜか」を考え、他者の理解を得ることはまさに論理チェックだ。

つまるところ、①事象を見て上位概念を考える活動を反復訓練する、②パターンをインプットする、③他者の理解が得られる論理を作ることで上述の問題の大半をなんとかできる。

誰もが実はフレームワーカー

さて、ここまでは物流会社の事例を記載したが、個別具体的な話なのでフレームワークに関する網羅性がない。このため、そもそもロジシンの研修におけるフレームワークの学習全般を幅広く考えたい。

フレームワークと聞くと、ビジネススクールで学ぶもので、仕事では役立たないと感じる人もいるそうだ。しかし、実はフレームワークは、誰もが日常的に使っている。例えば、「四季」は「春夏秋冬」の「フレームワーク」であり、逆に「春夏秋冬」は「四季」を構成する「要素」だ。フレームワークは、狭義には四季のような春夏秋冬の「ラベル」を指す。ラベルとは、下位概念を包含する上位概念のことだ。広義には「ラベル」とそれが包含する春夏秋冬のような「要素全体」を指すこともある。

グループとなったものはフレームワークだ。例えば、東西南北、上下左右、音楽グループだってある種のフレームワークなのである。こう考えると、頭の中にフレームワークがあるのは自然であり、実は誰もがフレームワーカーなのである。

例えば、春夏秋のオススメ料理だけが書いてある本があったら「冬」がどうなったのかが分からず気持ち悪さを感じる。この「気持ち悪さ」を感じる理由は、私たちがフレームワーカーだからだ。あるべきところにあるべきものがないと気持ち悪さを感じる。

フレームワークのうち、「ビジネス」で使われるものは「ビジネスフレームワーク」といって区別される。「ビジネスフレームワークなんて使ったことがない」とか「難しそうだ」と思うかもしれないが、例えば、会計年度を四半期に分けるのだってフレームワークだし、5S、QCD、3C、PDCAなど良く耳にするビジネス用語の多くはフレームワークだ。ビジネスの現場で働く上で、これを知らないことで相手がいかに「気持ち悪さ」を抱くかがわかるだろうか。物流会社の感じている悩みの本質は、まさにこの気持ち悪さの解消なのである。

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