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研修に深い集中と高い学習効果をもたらす「フロー」理論の使い方(後)

こんにちは、学生インターンの小川功毅です。
前回に引き続き、心理学の「フロー」という概念を用いて、熱中しやすく充実感の高い研修設計を検討していきます。

前半は、こちらからお読みいただけます。

ゲーム性を活用し、フローを促す

フロー状態を促すためには、ゲーム性を活用することが効果的です。

前回ご紹介した、フローをつくる3要素は以下でした。
1:その人のスキルと、取り組んでいることの難易度がつり合っている
2:活動の目標が明確であり、共感している
3:フィードバックが即座に得られる

ゲーム性を活用することで、この3要素を満たしやすくなります。

1:難易度を調整しやすい

集合研修の場合には、それぞれにスキルのレベルが異なるため、一人ひとりに適切な難易度に調整することが非常に難しいです。
しかし、ゲームであれば、個人の習熟度に応じて調整することができます。たとえば、ゲームごとに方法は異なりますが、最初はヒントを出したり、後半は問題の難易度を上げたり、難易度の低いルールを設けたりすることで調整できるでしょう。

2:明確な目標/基準がある

また、ゲームにはルールがあり、ゲームごとに達成すべき目標、競争に用いる採点基準などが定められています。また、研修ゲームであれば学習のテーマも明確であり、その会得という目標のために取り組むことができます。

3:すぐにフィードバックが得られる

さらに、ゲームでは、自分がアクションを起こすことで、何かが動きます。例えば、1点加算されたり、場面をクリアできたり、自分の行動にはフィードバックが伴うのです。

必ずしも「ゲーム」でなくても良い

しかしながら、必ずしも「ゲーム」ではなくても、ゲーム性を活用したクイズやワーク、ディスカッション等でも効果的です。これは、ゲームという形が重要なのではなく、ゲームに含まれている「ゲーム性」がフローを促すためです。

研修を設計する上で、「ゲーム性」を活用することで、1:難易度 2:目標 3:フィードバックという3要素を満たし、フローを促すことができるのです。

グループ全体が「フロー」になる

グループ全体が「フロー」になることを「グループ・フロー」と呼びます。
たとえば、グループワークの際に、高い集中力を持って各メンバーがイキイキとしている、創造的なグループがあります。これは、そのグループ全体がフロー状態になっている「グループ・フロー」です。

このような創造的なグループワークのためにも、前述の3要素は必要です。
さらにこれに加えて、メンバー全員が同等であり、適度に親密で、不断のコミュニケーションがあることなどが重要になってきます。この要素については、後日コラムに書きたいと思いますが、個人だけに適用されるものと思われがちな「フロー」は、このように、グループに対しても「フロー」を適用できることから、グループワークにも活用できます。

(参考:「Group Genius」キース・ソーヤー)

おわりに

全2回に渡って「フロー」をご紹介しながら、熱中しやすく充実感の高い研修設計を検討させていただきました。
「フロー」を意識することで、参加者の積極的な参加や、高い学習効果、創造的なグループワークなどを促すことができます。
ぜひ、皆さまの良質な研修設計の、お役に立てれば幸いです。

研修に深い集中と高い学習効果をもたらす「フロー」理論の使い方(前)

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