オンライン研修をやってみた話 | ビジネスゲーム研修で人材育成を内製化 | カレイドソリューションズ

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代表コラム

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オンライン研修をやってみた話

私は年に1社だけ定例で登壇するのですが、今年の4月の新入社員研修はオンラインで実施しました。

オンラインでの打ち合わせなどは日常的に行っていましたが、そもそも定期的な研修は年に1社。一部オンラインは経験しましたが、完全オンライン研修は初めてです。黒船来航による唐突な未経験の場へのチャレンジは刺激的でした。

オンラインでは、画面に集中する分、時間を絞るのが無難です。また、当社が活用する「ゲーム」は理解を促進するために有効ですが、集合を想定したツールを短期間でオンラインにはできません。このため、講義とブレイクアウトルームを中心とした構成になりました。

そういった制約条件の中での研修でしたが、結果としては成功だったと思っています。この成功を支えたものを3つ挙げます。

研修をニコ動風にする工夫

まずは、パパパコメントというサービスです。これは、簡単にいうと「ニコニコ動画」のようなコメントを登壇者の画面に表示できるものです。研修参加者にはじめにスマホでQRコードを読み込んでもらえば、そこに出てくるボックスに打ち込むと、右から左にコメントが流れます。画面を共有していれば、その様子が参加者にも見えることで、まるでニコニコ動画の生主(配信者のことをそう呼ぶらしいです)になった気分で研修ができました。

「チャットじゃだめなの?」といわれそうですが、やってみた印象では、講義をしながらチャットをみるのは難しい。しかし、パパパコメントを使えば、画面上にコメントが流れてくるので、話していてもすぐに気づいて、当意即妙な応対ができます。登壇者にはインストールが必要なのと無料サービスなのでセキュリティに厳しい会社では利用が難しいかもしれませんが、ものすごく研修がインタラクティブになりました。(※長文のコメントはチャットが向いています。)

オンラインには持ち味がある

次に、オンラインはオフラインを比較して語られ、劣化版のようにも思われがちですが、それぞれに多少の持ち味があると感じました。研修を3-40人でやるような場合、講師の表情も見えにくければ、スライドの文字も小さくて見えにくいでしょう。しかし、オンラインでは常に(良いか悪いかは別として)講師の顔が大きく映し出されます。テレビで野球観戦をするのと、球場で野球観戦をするのとを比較したときに、私の場合は球場は観客の熱気などは感じられますが、選手が何をしているかまでは見ることができず、むしろテレビの方を好みます。それと同じような違いがあるように感じました。オフラインの研修では、協調学習や他の参加者と協働することで普段の自分にはできないことに足場をかけることはできますが、逆にデメリットもあると感じました。オフラインの良さについては「研修では、そもそも何のために「集合」するのか?」など常々語っていることですので割愛します。

そもそも作りこんである講義スライド

最後は、講義です。当社はゲーム研修を全面に打ち出しているのですが、以前から発信しているように「研修内製化」が主たる事業で、その一つの方法論がゲームです。研修内製化はゲームだけではなしえません。このため、スライドを作り込むのですが、このスライドにもゲームと同じく「参加者を楽しませるための工夫」をたくさん盛り込んでいます。といっても、お笑いのような話や画像や動画は一切ありません。ロジックだけで楽しめるように作っています。こうした「講義」を「モジュール」として提供していて、当社では裏メニューと読んでいます。

これがつまらなければオンラインの研修では居眠り続出だったでしょう。しかし、こうしたスライドがそもそも価値提供をしていたため、居眠りなどの出ない場をつくれたように思います。

オンライン・オフラインなんて関係ない

スライドだけで、研修をうまく取り回すことができたことは大きな自信になりました。それを振り返ると、研修はコンテンツとデリバリーに分けられるという考え方に戻ってきます。結局、肝になるのでは、良質なコンテンツなのです。それを使ってデリバリースキルを発揮して話している内容を「対面・オフライン」というデリバリーチャネルで提供するのか、それとも「オンライン」で提供するのかの違いでしかありません。(デリバリーをスキルとチャネルに分けています。)

それぞれ特性の違いはあれど、結局のところ、研修の価値の源泉は、良質なコンテンツです。当社が現時点でオンラインのゲーム研修を持たない以上、今当社が最も価値を提供できるコンテンツは、創業以来ふんだんに作り貯めてきた研修の講義なのではないかと思います。チャネルに関するテクニカルな話ではありません。

もうオンライン研修のやり方みたいな「テクニカル」な話は卒業するタイミングに思います。それをどれだけ学んでもコンテンツの質は上がりません。「高橋さんがオンラインでどんな風に研修したかをウェビナーで配信したらいいですよ!」と何度か言われましたが、わずか数週間で身につけた付け焼き刃の知識をセミナーで公衆に披露するほど鉄面皮ではいられません。今だからこそ、コンテンツの質に注目すべきだと感じました。

私たちは、価値あるコンテンツを提供するオンラインでもオフラインという線引きをしない、ただの「研修」の会社として研修の質を突き詰め、オンライン・オフラインにこだわりなく、発信し続けたいと改めて感じさせられました。

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