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伝える難しさを理解するゲーム-全体像と全体図のギャップをゲームにする-

今年の春に、「業務改革」に関する仕事をお請けしました。
その中で、プロジェクトマネジメント研修を実施した際のメモを参照し、
「伝える」ことの難しさとその訓練について考える機会がありました。


書籍「知覚力を磨く」という書籍があります。絵画鑑賞を通じて知覚力を高めることについて書かれた書籍です。本書では、全体図と全体像という用語の弁別を行っています。

全体図とは絵そのものです。それをここにはこれが書かれていて・・・と文字に起こし、言語化したものを全体像と呼びます。

システム開発では、「要求」と「要件」という言葉が使われます。「要求」とは顧客が頭の中に思い描いていること、ただ、これではシステムを開発することはできませんから、言語化する必要があります。要求が言語化されたものを「要件」といいます。システムは要件を定義し、その通りに作りますが、それが顧客の要求と完全に一致するとは限らず、要求を満たすとは限りません。

それと同じように全体像を言葉で説明しても、全体図を表せることはありません。絵画の解説を読んでもその絵画を頭にイメージするのは容易ではありませんが、絵画そのものを絵で見せれば100%伝わります。これらは「伝える」活動の難しさを端的に表します。

こうした伝える難しさをゲーム化したものに、「アイデンティク(Identik)」があります。市販されていたボードゲームで(現在は絶版)、いろいろなことが書かれたイラストを時間内に口頭で説明します。10のチェックポイントのうち、どの程度言及できたかで得点を競う仕組みです。

また、伝言ゲームにも類似した仕組みがあります。伝言ゲームは、言葉通りに「聞く」ことの難しさをゲームにしたものです。言葉通りに聞き、それを記憶できなければ次の人に正しく伝言することができません。記憶がネックになるようであれば、メモを取りながらの伝言ゲームも面白い取り組みです。メモを取っていても、事実をありのままに聞き取れなければ、頭の中で要約されてしまい、内容が変化してしまいます。

こうした点の面白さを上記のIdentik型でやってみることができます。一人が写真を見て、それを言葉で伝える。その情報を基に、もう一人はその絵を書く。こんなことをするだけで面白いワークができるんですね。

2023年秋に、文字通りに記録することを重視するご相談を受け、この記事を思い出し、2023年4月16日にメルマガで送信したものを再編集しました。

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