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臨床医と研修担当者のアナロジーから介入と解決を学ぶ

友人の中医が勧めていた「医者は患者の何を診ているか」という新書を読みました。触りの方に、「状況証拠を元に診断をする」という話があり、組織・人材開発にも共通する考え方だと感じ、「これは、医療の皮をかぶったビジネス書だな」と興味深く読みました。

引用します。

かぜはどのように診断しているか知っていますか?画像検査や病理診断ではありません。まず、問診や診察によって情報を集めます。そして、それらを総合判断してかぜらしいことを推定します。そして、治療を試みます。この場合の治療は対症療法といって、病原体を殺すものではなく、症状を和らげるためのものです。そして、数日経ち、徐々に症状が改善に向かってきて治ったとします。このことをもってかぜと確定診断されます。よってかぜは理屈上、受診初日に診断を確定することができません。かぜらしいと推定しているだけです。

つまり、私たちが「かぜ」をひいて病院に行って、かぜと診断されて受け取っているつもりの薬はかぜが確定しているからかぜ薬を受け取っているわけではないのです。薬はあくまでも症状を和らげるためのものであり、その薬が効いたことをもって病名が「かぜ」だと分かるわけです。

こうしたものを臨床診断と呼ぶそうです。組織・人材開発の仕事は比喩的に組織の医者であると表現されます。上記の引用を踏まえると、組織の医者の多くは臨床医ということになります。

組織の医者は、組織を見て、仮説を立てます。その際に、現場ヒアリングやアンケート調査をすることもあるでしょう。その結果があるべき姿とずれる場合、病気となる組織の問題に対する原因仮説として「かぜ」といった名前をつけます。ここで重要なのは、かぜという名前をつけるだけでは病気はよくならないことです。

次に、その症状を緩和できる推定して薬を出すことをしますが、これを組織・人材開発の用語では「介入(インターベンション)」と呼びます。もし、この用語にご興味がありましたら、「HPIの基本(ヒューマンバリュー)」をご参照ください。

そして、介入が適切であった場合、かぜは「解決(ソリューション)」に至ります。はじめからかぜと診断を確定することはできず、であるが故に各種の組織・人材開発の取り組みはかぜ薬と同じような介入でしかありえません。

解決を目指した介入を行い、その結果、問題が解決したという事実をもって、はじめて組織の罹っている病がかぜなのかどうかが判断できるということです。

さて、みなさんの組織・人材開発の仕事では、いかがでしょうか。現場ヒアリングやアンケートを取ってみたはいいものの、病気や投薬すべき薬がわからないからといって、不調を放置していたりしないでしょうか。

また、違う人が解決に至った(事例)からといって、別な問題を抱える人に違い人の病気がよくなったからといって、同じ薬を投与していないでしょうか。

研修は、介入の代表例であり、解決を目指すものではありますが、解決策ではありません。診断だけでは病気は治りませんし、よく聴く薬だからといって、投与(介入)しても万人が同じような解決に至るとは限りません。あくまでも的確な診断と介入でなければならず、診断と介入が適切だから、結果として、問題だったことがわかるのです。診断は技術の塊で一朝一夕には身に付きません。私たちが、お客様にヒアリングをして、どんな診断があり、どんな病気だと思っているのかという確認に大きな手間をかけて行うのは、そういう理由です。数十年かけて診断を行ってきたからこそわかる経験値があり、だからこそ適切な介入ができ、結果として病気が治るわけです。

以前、「病気を診ずして病人を診よ」というすばらしい理念を耳にしました。私が創業する前に感銘を受けた理念です。この理念は、組織・人材開発にも同じことが言えるのではないかと、冒頭に紹介した書籍を読んで、気持ちを新たにしました。昨今、病人を診ずに、病気を診て、「例えば、チームビルディングならこの研修がよい。他社でたくさん導入されていますよ」というセールストークに翻弄されないように、訓練を積んで病人を診るスキルをつける方が早道なのではないかと感じる場面が増えています。

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