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COLUMN

わかりそうでわからない「ビジネスモデル」とは?

ビジネスモデルの定義

ビジネスモデルという言葉には実は学術的な定義が存在しないようだ。ビジネスモデルとは「もうけの仕組み 」という人もいれば、様々な人がいる。書籍「ビジネスモデル2.0図鑑」では、ビジネスモデルは、「●●とは普通はこうだ。でも(●●は)こうだ。」という形式で表すことができるものだとある。

例えば、当社であれば、「研修会社とは普通は講師を派遣するものだ。でも、カレイドは講師を派遣せずにツールを提供する。」となる。このように「定説」と考えられていたものへの「逆説」として説明できるものがビジネスモデルだという。

ただ、わたしはこの定義には100%は同意しかねる。例えば、「財務を学ぶゲームでは普通は運の要素がある。しかし、カレイドのパースペクティブは運の要素がない。」と言った場合は、単なる「斬新さ」の説明になってしまうからである。これは、単なる「差別化ポイント」にすぎない。

ビジネスモデルジェネレーション

ビジネスモデルについて分水嶺となる必見の書籍と言えば、「ビジネスモデルジェネレーション」が挙げられる。この書籍に登場する「ビジネスモデルキャンバス」を用いることで、すでに存在するビジネスをモデルとしてまとめることができる。

ビジネスモデルキャンバスでは、ビジネスモデルを9つのブロックに分けて、キャンバス上に配置している。まずは、右側から考えよう。最も右型にあるのは顧客セグメント(Customer Segments)だ。ビジネスが最終的に届くところである。次に、顧客セグメントに対して価値提案(Value Proposition)を行うが、この橋渡しとなるのが、顧客関係性(Customer Relationships)とチャネル(Channels)だ。この4つの関係性はわかりやすく、顧客がいて、価値が提供できる商材があり、それを知らせる関係性と販路であるチャネルがあれば顧客に価値が提供できる。ここから収益(Revenue Streams)が生まれるので、その源泉となっている上記のモデル、すなわち、顧客と顧客に対して提供している価値とその提供プロセスを知ることは必要です。

次に、左側に移ろう。価値(Value)は突然生まれるものではない。価値がなければ価値提案もできないから、価値を作り出すプロセスも同じく重要になる。価値を産む源泉はリソース(Key Resources)だ。また、リソースだけでは十分ではなく、リソースを価値に変えて顧客に提供するから、変換のための活動が必要になる。これを主要活動(Key Activities)という。また、リソースは他者から購入することもあれば、主要活動の一部を外注することもあり、こうした相手先をパートナー(Key Partners)という。これらに対してはコスト(Cost Structure)がかかる。

最後に下部ですが、右・左それぞれの下部にある収益(Revenue Streams)からコスト(Cost Structure)を減じたものが利益になり、ビジネスが完結する。これらを図解したものがビジネスモデルキャンバスだ。

なお、弊社の「かちかち山」では、顧客セグメントと価値提案について扱っているが、このプロセス全体を扱おうと思うと、顧客関係性とチャネルの話が次に登場することになる。当然ながら、ここから収益(revenue streams)が生まれるのだから、顧客とそれに対して提供している価値とその提供プロセスを知ることは必要なわけだ。

ちなみに、この書籍では、主要なパターンとして、ビジネスモデルを「アンバンドル」「ロングテール」「マルチサイドプラットフォーム」「フリー」「オープン」に区分している。

しかし、ビジネスモデルに関する書籍を多数著する平野敦士カール氏によると、ビジネスモデルキャンバスは分析には適すが作成には適さないという。平野氏は、顧客・顧客価値・経営資源・差別化・収益が重要というが、違いは、差別化のみであるように見える。つまり、他社(定説)と自社(逆説)の関係性を明らかにするということになる。これは、「ビジネスモデル2.0図鑑」における指摘と合致する。

つまり、ビジネスモデルとはビジネス全体の構造を明らかにしながらも、特に常識と異なる部分が強調されたものだと考えられる。

当社のビジネスモデル

私は、ビジネスモデルに代表される「仕組み」大好き人間である。当社のビジネスモデルそのものが「研修会社とは普通は講師を派遣するものだ。でも、カレイドは講師を派遣せずにツールを提供する。」というものだし、ほとんど全ての研修をこのテンプレートで語ることができる。

当社のビジネスを考える際に参考にしたのが、ワークスアプリケーションズの牧野氏のいう「良質なパッケージはあらゆるカスタマイズを包含する」という考え方である。また、時代背景的に、クラウド(はじめに投資して利用者は安価にサービス提供を受ける)、BOPなどのビジネスモデルを研修業界のビジネスに適用することで独自のビジネスを構築してきた。研修の定期購読サービス「ずっとも」にしても、サブスクリプションモデルをベースにしている。

ビジネスモデルを発想する

人は、ヒントがなければ発想できない。アイデアが生まれない人の90%は大抵の場合、インプットの不足が原因だ。乾いた雑巾をいくら絞っても水はでない。インプットが豊富であれば、頭の中で複数の要素がつながり、自在にアイデアが湧いてくる。これを経済学者のシュムペーターは新結合と呼んだ。後の10%はいわゆるアイデア創発の方法を知らないことが原因だが、アイデア創発の技法は、大抵ヒントになる情報を効率的に獲得するための方法論だから、ヒントがなければ発想できないというのは概ね正しい。これが、創業後に自分だけではなく、メンバーもたくさんアイデアを発案できるようになってほしいと考えてアイデア創発について学んだ私の結論である。

よって、ビジネスモデルを発想するためには、既存のビジネスモデルのバリエーションと自社ビジネスモデルの理解が欠かせない。また、ビジネスモデルには、収益とコストが含まれるとするのであれば、財務的な観点も求められ、ひいては経営全体に関する基本的な理解は必要であろう。

経営については、弊社の経営シミュレーションに属する研修を実施していただければ理解できる。このため、当社が作るべきものは、「多くのビジネスモデルを効率的に知れるもの」と考えた。その点で、今回のコンテンツは知識習得系に属す。

ビジネスモデルをなぜ扱うか

「ビジネスモデル」をテーマにしたコンテンツを開発したいと思ったのは、最近ではない。

当社の黎明期は、自社商品ばかりを扱っていたわけではなかった。マーケティングコンサルタントにOEM提供を受けた「インキュベーター」や、それと当社の「パースペクティブ」を組み合わせた副業解禁時代におけるソリューションとして「サバイブ」という研修のプレスリリースを行ったりもしていた。

インキュベーターは、実事例を基にした水平思考のクイズで構成され、その適用可能性を探ることで学ぶ研修である。

一つの事例を挙げよう。

ある宝石店では、婚約指輪を一切値切られずに販売する方法を思いつき、値崩れを防いでいます。どのような方法を考え出したのでしょうか。

答えは、婚約者を同伴させることだ。婚約者が同伴している場合に、婚約者の目の前で婚約指輪を目の前で値切る人はまずいない。また、定価で購入しても婚約者の嬉しそうな顔を見れば、それで満足してしまう。

今、クイズを出題させていただいたが、クイズの解を知ることが大切なのではない。ここから得られるインサイトとは何だろうか。
モノの価値とは、購入時点での場所、時間帯、シチュエーションによって変化する。よって価格競争を防ぐための鍵は「シチュエーション」だとわかる。これがインサイトである。

これを転用すると、シチュエーションを設定することで自社ビジネスの値崩れを防ぐ方法はないかという「お題」が生まれ、それを検討すれば自社ビジネスを変えるきっかけが生まれる。

この、事例からインサイトを得る「インキュベーター」は、私自身が発想に重きをおいていることもあってぜひとも実現したいものだったが、テキストと事例とクイズの配信サービス(月額5万)というのが当社の主たるビジネスである「ゲーム」とそぐわずにお蔵入りとなった。

ビジネスモデルとはちょっとした工夫とは異なる

インキュベーターは孵化器という意味で、差別化事例の転用を目的としたサービスであった。ここには、宝石屋の事例を掲載していたが、これはビジネスモデルと呼べるのだろうか。

主観的にはビジネスモデルとは呼びにくいように思う。それは、そこにはモデルがないからだ。「モデル」という言葉も様々だ。もうけの仕組みをビジネスモデルとするという一つの定義を紹介したが、儲けの仕組みとは、ビジネスモデルキャンバスのような、価値と顧客の関数によって求められる収益と、リソースと主要活動の関数によって求められるコストの差分を示すことであり、その構造そのものである。その点では、宝石屋の事例はモデルの一部を切り取ったものでしかない。ときに、顧客が必ずしも得をしていないという点ではwin-loseの関係ですらあり、価値すら判然としない。

—本コラムは社内向けに「ずっとも」第13-18弾の中でリリースを予定していた「ビジネスモデル」に関して2018年10月11日に書いたものです—

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