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他者を通じて自分を学ぶ

ジョハリの窓(Johari window)という有名な考え方があります。コミュニケーション研修で頻繁に登場するので、ご存知の方も多いのではないかと思います。

自分が知っている/知らない自分を横軸にとり、他者が知っている/知らない自分を縦軸にとってマトリクスを作ります。

自己開示やフィードバックを受けることで、自分も他人も知っている自分の領域(=公開された自己(open self))が広がります。(余談ですが、たまに商談で登場しますが、ジョセフさんとハリーさんの名前を併せてジョハリという話はあまり知られていません。)

さて、この考え方を私が知ったのはもう10年以上経つのですが、これを知っていてもそもそも誰かからフィードバックを受けることってそれほど多くないですし、実務での活用イメージが中々わかずにいたこと告白させていただきます。知識としては知っているけれども自分のものになっていない知識は多いですよね。)

ジョハリの窓の使い方を理解したのは、「投票/評価」の枠組みを使うビジネスゲームを開発したときでした。今回はそのときの話を書きたいと思います。

以前、「解決昔話の開発裏話」というコラムを書きました。

当社のコンテンツに詳しい方しかわからないかもしれませんが、「トナリノココロ」「解決昔話」「モチベーションマジック」「イエナイヨ」という一連の研修には、全て「投票/評価」のメカニクスが入っています。

この、投票/評価のメカニクスでは、誰もが評価者であるのと同時に被評価者となります。これがまさにジョハリの窓における公開された自己の拡張に役立つのです。

例として、「イエナイヨ」で説明しましょう。イエナイヨでは、まず、発表を行います。失敗しようと思って発表する人はいませんから、自分がベストだと思う内容を自分のありのままの表現方法で表現することになります。そこには少なからずその人の「イマ」が含まれています。これが赤裸々にでてくるのですね。この発表内容に投票が行われ、その後投票理由がフィードバックされます。ドキドキの被評価者タイムです。普段、多くの人から一斉に評価されることって稀ですから貴重な体験です。こうして評価されることを通じて、他者の目を通じてみえた自分が確認できます。こうして他者から見た自分の理解が進むのです。

同時に、他者は評価をするに際して、その相手のことをよく見ないといけません。あえて評価者になってみることによって、これまで見ているようで見えていなかったその人の「イマ」を知ることになるのです。

また、同じ発言をしても、相手が違えば受けるフィードバックが異なるのも面白い点です。また、同じ発言内容でも、愛嬌のある人がいうのと、強面の人がいうのでは投票結果に差が出てきます。こうして自分の評価と誰かの評価がずれることで、自分のものの見方にバイアスがかかっているのを知る一助となります。

シンプルなやり方なのですが、こうして、公開された自己が拡張されていきます。これは別にゲームを使わなくてもできなくはありません。ゲームが良いのは、ゲームが「現実とは少し離れた第二の現実」だということです。その中で行っている活動へのフィードバックですから、もしも少し厳しいフィードバックでも「現実の自分が否定されているわけではない」と言い訳を許容します。

これ、中々面白いですよね。こうして自己理解って進むんだなと開発を通じて思ったわけです。モチベーションマジックやイエナイヨを作った頃に毎回思っていたことだったのですが、コラムに書いていなかったので改めて書いてみました。

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