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研修の「おせっかいさ」について考える

先日、創業当初によく話していたことを思い出しました。

創業前に関心を持っていたことの一つに、「研修のおせっかいさ」があります。研修は社員に介入して問題解決をサポートする施策ですから、「支援」の一種だと感じます。ただ、支援にはおせっかいなものが多く、たまに研修が嫌われている組織を見ると「何か別な支援のあり方ってないかな」と思います。

人材開発の方に、医療従事者やカウンセラーとの類似性を感じることがあります。ただ、人材開発担当の方とこれらの職種の方は1点において決定的に異なります。それは、「求められて行う」か「求められないことがあるか」ではないでしょうか。

エドガー・シャインの「人を助けるとはどういうことか」によると、「与える側も受け入れる側も用意ができているとき、効果的な支援が生じる。」としています。友人に話したら、「おばあちゃんからの洋服のプレゼント」と言っていました。欲しいと思っていないのに与えられても効果的にならないんですよね。

病院の患者には治療したい病気があり、カウンセリングを受けに来る人には悩みがあります。顕在化した悩み(=ニーズ)があるから、これらの仕事は効果を発揮します。

一方で、研修の場合はニーズが顕在化していないことがあります。

顕在化していない例として、人材開発担当者側が必要だと思っても、本人には必要ないこともあります。また、人材開発担当者側が必要だと思い、本人にも必要だけれども、その必要性を認識していないこともあります。部下に活き活きと働いて欲しいというニーズがあるが、その効果的な方法がコーチングだと知らない場合、コーチング研修は嫌がられるなどがその一つの例です。支援の受け手である社員側に支援を受ける用意がない研修は、「おせっかい」で迷惑なので、嫌われてしまいます。

顕在化しているニーズを探し続けるよりも、顕在化していないニーズを顕在化させるほうが簡単です。おせっかいにならないために、ニーズをサーベイして、研修テーマを選定する会社も多いでしょう。ニーズを満たし、次のニーズを満たしてを続けていくと、大きなニーズは満たされ、果てしない研修テーマ探しの旅が始まります。どの研修テーマを選べば良いかを考えはじめた時点で、「無用な支援」という隘路に足を踏み入れているかもしれません。そのやり方は王道ですので否定はしませんが、顕在化していないニーズを顕在化してそれを支援するやり方の方もありなのではないでしょうか。

繰り返しになりますが、支援は、相手が必要なときに差し伸べることで効果を発揮します。エドガー・シャインは「効果的な支援は純粋な問いかけとともに始まる。」としています。例えば、問いかけの場が作れる施策に投資して、ニーズを顕在化させるのも有効な投資ではないかと思うのです。ただ、こうした施策って、それ単体ではスキルや知識付与につながらないように見えるので、避けられがちなのですが、支援の必要性を認識してもらうには非常に良い方策ではないかと感じます。

問いかけの場が作れる施策としては例えば・・・

  1. キャリアデザイン研修
  2. 体験学習(ビジネスゲームはここに入ります)
  3. OJT強化(コーチング・メンタリングなどを上司に習得させることで引き出させる)
  4. アクションラーニング

 
などがありますね。詳細は専門の方に譲るとして、こうした研修が機能する場面を「ニーズの顕在化」と考えてみるとこれらの研修にも少し違う魅力が感じられるかもしれません。

最後に、少しだけ補足しますと、上司からのフィードバックがその機能を果たしていることもあります。しかし、一般社員が個人へ向けられたフィードバックを研修テーマに紐付けるのは困難です。なので、こうした場で紐付けるのもありだと思っています。

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