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経済性工学でビジネスゲームを解く~その2~

ビジネスゲームを実施すると、「ゲームだから」なのかもしれませんが、「なんとなく」決めてしまう方が多いです。しかし、それだとビジネスゲーム、ひいては実ビジネスでも勝てることは極めて少ないでしょう。

ビジネスゲームに強いプレイヤーは初めに何をやっているのでしょうか。

これもやはり定石があり、ゲームに限らず意思決定に強い方は同じことをしています。

まず、自分のできることを洗い出すことです。これを「選択肢の洗い出し」といいます。

ここは、発散工程です。考えうるすべてを出せるように心がけます。実ビジネスでは選択肢は無限にありますが、ビジネスゲームは有限なので、全て洗い出せるかがポイントです。実ビジネスでは選択肢の洗い出しをせずに、目の前にある選択肢でつい決めてしまいがちですよね。

次に、それら「選択肢を定量化」します。

例えば、選択肢1を選んだら○円儲かるという考え方をします。これを全ての選択肢に行います。ここで大切なのは、自分の目の前の選択肢だけではなく取りうる選択肢全てを洗い出すことです。

例えば、広告担当であれば、テレビCMに数千万円かければ○円儲かるはずと考えているかもしれませんが、実はその予算を別な部門、例えば採用などに回せばもっと儲かると考えられるならば、テレビCMはやめるべきなんですね。

その後、定量化した「選択肢を比較」して有利なものを選択するか、もしくは不利なものを排除するかします。

こうするだけで、考えるべきことが大幅に減るんですね。しかし、それが行われていない。だから大量の選択肢を前に立ち尽くして「なんとなく」選んでしまうんです。

社長が全ての意思決定を行おうと思うと、数が大きすぎて、全体像を把握するのが難しくなり、限定合理性(合理的に考えようとしても人間はそこまで多くの情報を処理できない)の壁に突き当たりますので、ほとんどの会社では意思決定は部門などに権限移譲されています。その結果、部分最適な意思決定が行われていくのです。

例えば、当社のビジネスゲーム「パースペクティブ」では、”仕入れと販売先””設備投資””人材の採用”などを全て並べて定量化します。すると、”人材の採用”が最も「額」が有利だとわかります。すると、次の打ち手は人材の採用を行った後に残ったキャッシュで最適なものを探していけばよいのです。非常にシンプルです。別なビジネスゲーム”エコーズ”でも同じように考えます。

特にビジネスゲームは、以前「研修用ゲームと遊戯用ゲームの違い(1)」に書いたように明らかに筋の悪い選択肢を意図的に混ぜてあることが多いですので、この考え方は有効です。

では、具体的にどうやって有利なものを選択したり不利なものを排除していけばよいかというと、これにもコツがあります。このコツは次回書きます。

【補足】経済性工学では、「経済合理的か」で判断します。これと対立するものとして、「価値合理性」があります。例えば、明らかに損だけど、自分はそれに価値を感じているからやるというものです。経済合理性と価値合理性は完全に対立するものではありませんが、オペレーショナルな意思決定では経済合理性が強く求められ、戦略的な意思決定では価値合理性が求められるといわれています。

経済性工学でビジネスゲームを解く~その3~

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