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財務会計研修でどうして効率性指標を勝利条件にするか

財務会計研修「パースペクティブ」を実施しているときに、1つ質問がでました。

「どうして効率性指標が勝利条件なのですか。」

パースペクティブというビジネスゲームの勝利条件は、効率性指標です。具体的には、ROEに似た指標を用いていて、ゲーム中に積み上げた利益を、自己資本で除した数字の多寡を競います。

この問いは何気なく見過ごされることが多いのですが、1名疑問に思う人がいれば10名が疑問に思っている可能性がありますので、公に回答しておく必要があると感じました。

まず、この問いに回答するには簡単な経営分析に関する知識が必要です。

経営分析については、呼び方は色々とありながらも、

  1. PLのみを用いる分析(成長性分析や収益性分析など)
  2. BSのみを用いる分析(安全性分析など)
  3. PLとBSを両方用いる分析(効率性分析)
     

があります。

財務会計の研修で、PLだけを扱うのは比較的稀なケースですし、PL抜きにBSだけを扱うというのも聴いたことがありません。ビジネスゲームは、財務会計を総合的に扱います。このため、PL上の利益だけを目的とするのでは片手落ちになってしまいます。このため、同時にBSを活用する効率性分析を勝利条件にしています。

ゲーム制作上の都合といってしまってはそれまでですが、「総合的」指標のため、効率性指標を勝利条件にしています。ここまでが、この問いへの回答となります。

ただ、異論があるのは承知の上です。「経営」において効率性は絶対の指標ではありません。特に、安全性と効率性はトレードオフの関係にありますし、業態によっては、「安全性」に重きを置いている会社もあります。また、売上や利益の成長を目指す成長性や収益性を重んじる会社もあるでしょう。このため、ゲームという空間でも、日常業務で与えられている指標を追いかけてしまうことがあります。例えば、安全性を重視する会社では、資金を残したり、借金を避ける行動をとりがちです。ただ、これは経営の疑似体験としてのビジネスゲームでは必ずしも正しくありません。

経営は、「経営の目標」に沿って経営することなので、勝利条件が「効率性」であろうが「安全性」であろうが、目標を目指せばよいのです。目標を無視して、自分が良いと思う指標を追い求めることを経営とは言いません。

この点が誤解されていることがあります。たまに、「当社は安全性を重視しているから安全性を勝利条件に・・・」という声もでますが、安全性だけでは経営の一側面しか学べません。安全性の部分は、感想戦を行う時に「もし、このゲームの勝利条件が安全性だったら」という問いで考えさせると学びが深まるのではないかと思います。

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