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含意を読み解く読解力

少し前に「読解力」に関する本が話題になりました。

私も日々、業務で指示をしたり、お客さまとのやり取りをする中で読解力について考えさせられる場面がありますので、整理してみました。

読解力には段階がいくつかあるように思います。

① 書いてあることをそのまま読み解けるか
② 書いていないが論理的に考えれば、含めて伝えていること(含意)を読み解けるか
③ 背景を踏まえて”なぜ、それが書かれたか”という「意図」を読み取れるか

③は、本人に聞かなければ難しいものなので、読み解きとは直接的には関係しませんが、小説のように作者と直接会話ができないのとは違い、ビジネスの文書は相手とコミュニケーションが可能なので、読解力に含めてよいかと思います。なお「読解力が低い」と判断されるのは、②,③を読み解けない場合だと思います。

書いてあることを読み解けない①も増えているそうですが、今回は②を話題として取り上げます。

「その仕事ですと、今月はお請けできません。」という例で考えてみましょう。

この文には2つポイントがあります。

まず、「今月は」の「は」の使い方です。「は」には限定する意味がありますから、「今月に限って言えばお請けできません」という意味であり、「来月であればお請けできます」という含意があります

もう一つは、「その仕事ですと」です。これ限定で、「その仕事」は請けられないと伝えているが、それ以外の仕事については言及していない。なので、「その仕事以外であれば請けられるという可能性を含意」しているのです。

私たちは仕事でゲームを使います。そこにはルールがありますから、いろいろと記述に工夫をします。例えば、「してもよい」と「する」を使い分けたりします。「してもよい」には「しなくてもよい」を含意しています。逆に「する」は必ずしなければなりません。ただ、そのあたりを読み解けない人が多く、こうした含意を読み解けないと、例えば、契約書のチェック業務や、業務上のメール返信にも支障がでるため、以前から読解力については関心があります。

難しかった例を最後に挙げます。以前、誰かを何かに誘ったところ、「行きたい」というメッセージを受け取りました。このメッセージの含意を読み解けるでしょうか。「行く」といっておらず「行きたい」なのです。私はてっきり行くものと解釈して、人数に数えてしまいました。この時の含意は、「(行きたい気持ちはあるが)行けない」というものでした。

このように、文章で表現された場合は、いろいろと含意がないかを考える必要があります。

私たちは「パラダイス」というビジネスゲームにこの「読解」の考え方を採用し、場合によってはクリティカルシンキングにまで適用できるようにしていますが、ここに特化した何かも作ってみたいと思っています。

短時間経営シミュレーション「パラダイス」

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