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発言しない研修参加者にどう関わるか

以前から、「隠れたカリキュラム(hidden curriculum)」を意識して研修を実施しています。2011年にもコラムで触れました。

研修の冒頭に「積極的に参加しましょう」と伝えることがあるかと思います。にもかかわらず、手が上がらない…そんなことが日常的にあるのではないでしょうか。それに業を煮やして「指名」する。この指名が「隠れたカリキュラム」です。

「本当のカリキュラム」では積極的に参加することを求めている。ところが、「隠れたカリキュラム」では、実は指名されるので積極的に手を挙げる必要はないことを研修参加者は学習し、研修参加者から研修受講者に堕ちてしまうのです。(当社では受講者という言葉に隠れたカリキュラムがあるため、使用を禁じています。)

ここまでは、以前書いたコラムでの主張と変わりがありません。
今回、書きたかったことは、ここからです。

今の若手のメンタリティは少し変わってきているようです。以下のような記載を見ました。

「主体的」を期待するのはブラック企業。「そっち系」「意識高い系」と思われないために決して手は上げない。「目立ったら終わり」だから、講師が業を煮やすのをひたすら待つ。そうすることで答えがわかる

となると、何が起こるのでしょうか。

かつて登壇した際に、発言しない集団と3分以上にらめっこをした経験があります。その結果、「この講師は待っていても答えをくれない。我慢比べは時間の無駄」ということに気づいてくれました。ただ、この傾向が強まれば、それが3分では済まなくなります。しかし、これを我慢しなければ、決して若手が変わることはなく、「ほら、我慢していたらやっぱり指示がきた」と行動が強化されてしまうのです。

こうした研修では時間が必要です。一つの質問を投げかけて答えが返ってくるまでに1時間かかるかもしれません。ですが、それでよいと考えています。変えたいのであれば、その我慢に投資する必要があります。

ただし、昨今の研修は時短傾向が強く、これが許されにくくなっています。外注している研修で、これを許容してくれる会社は(3分ならまだしも)多くないでしょう。

今であれば、スマートフォンやパソコンで回答を募るアプローチが有効とされます。SNSに慣れた若者は、積極的に書き込みし、いいねをしてくれ、更に「匿名」だとなおよいそうです。ただ、それが自分の発言に責任を持つべき社会人としてよいのかはよく考えるべきではないでしょうか。ラーニングツールが流行していますが、どこまで企業側が阿る必要があるのか。この辺りが最近の問題意識の一つです。

場として考える~トナリノココロを題材に~

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