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職場における3つの共依存について

4-5月は新人の本配属を前に、OJTの研修をしていることも多いのではないかと思います。

今回は、OJTを考える上で参考になりそうな「職場における3つの共依存」を書きます。
共依存とは、特定の相手との関係に依存しすぎることです。
これが、トレーナーとトレーニーの間に生まれている可能性があり、
その場合、それを断ち切るための研修をするのが望ましいかもしれません。

  • 能力を褒める共依存
  • 教えるの共依存
  • 叱るの共依存

能力を褒める共依存

一つ目は「能力を褒める共依存」です。

「天才ですね」「知識が豊富ですね」と能力を褒める人がいます。
これを聞いて悪い気持ちになる人は少数派で、多くの人は気分が良くなるでしょう。
ただ、気分が良くなるだけで、以降は天才性や知識量を疑われることはしなくなります。
つまり挑戦を阻害するわけです。

褒める側は相手に喜ばれて嬉しい、褒められる側は褒められて嬉しいので、
双方がハッピーです。なので、その行動が継続されてしまいます。
その点で、共依存といえます。

ただ、キャロル・ドュエックの書籍「マインドセット/やればできるの研究」では、
能力への褒めは成長には効果がなく、成長につながった努力を褒めるべきだとしています。

教えるの共依存

二つ目は「教えるの共依存」です。
エドガーシャインの「人を助けるとはどういうことか」には、
助ける側は、立場が一つあがる(ワンアップ)であり、
助けられる側は、立場を一つさげる(ワンダウン)だと述べています。

人を助けると気持ちがいい、だからつい新入社員が困っていると助けてしまう。
これで支援欲求が満たされます。
逆に、新入社員は助けてもらえたら楽です。
なので、頼ってしまいます。これも共依存です。

ただ、ここには新入社員の成長がありません。
その点で、抜け出さなければならない共依存のように感じます。

叱るの共依存

最後は、「叱るの共依存」です。
書籍「<叱る依存>が止まらない」では、
叱るは、殴るのと同等のダメージを相手の脳に与えるとしています。
叱ることで、叱る側は「処罰欲求」が満たされます。
なので、依存症になりやすいものです。

先日ご紹介した書籍「先生、どうか皆の前で褒めないでください」では、
若者は、自分で決定するのを留保する「決めるのが怖い」傾向があるため、
マニュアルがある、誰かに指示されるというのはありがたい状況だそうです。

また、書籍「炎上社会を考える」では、「被害者」のポジションを取るという戦略についてもつぶさに書かれている一方、
「決断力がある」「指導力がある」人に従いたい人たちについても書かれています。

言われて動く、叱られて動くことで、決断を回避できる若手と、
教えたり、叱ることで欲求を満たせる指導者。
ここにも共依存があるのではないでしょうか。

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