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反復訓練型のビジネスゲームについて考える

ビジネスゲームを反復訓練に活用する事例があります。講義で説明したけれども体験を伴わないために実感値として理解できないことをゲームを通じて理解させるのです。

弊社の例でいうと、トラブル対応のスクリプトをゲームを通じて理解する「トラブルシューター」、気持ちの切り替え方をゲームを通じて習慣化する「モチベーションマジック」、財務諸表のつながりをゲームを通じて把握する「パースペクティブ」などが反復訓練系のビジネスゲームです。

弊社では、「総合満足度」「面白さ」「有用性」でアンケートを取ってきているのですが、この反復訓練型のアンケートには、面白い傾向が見られました。

その他のスタイルのビジネスゲームと比べて、「面白さ」のスコアが全体的に低めに現れる傾向があります。

ゲーム研修の3要素

一つの考え方によると、ゲーム研修(ゲーミング)は、3つの要素で構成されるといいます。まず、ブリーフィング(講義)、ゲーム、デブリーフィング(振り返り)です。

この中で、ブリーフィングをがっちりやるゲーム研修はあまり多くないと思いますが、反復訓練型には、ブリーフィングは必須です。このため、内容は既に言葉として既知のものになりますので、ある意味「ネタばれ」があるため、その他の「ドラマ」を組み込んでいるビジネスゲームよりも満足度が低くなるのかなと思いました。

また、反復訓練は、ある意味で筋トレに似ていて、目に見える力はつくのですが、ややもすると退屈な活動になってしまいます。このため、同じく面白さが低く出るという可能性があります。

モチベーションマジックの体験会を実施して、こんなことを考えました。その後、ふと、当社の反復訓練系のコンテンツの中で、高い「面白さ」を誇るコンテンツがあることを思い出しました。

一体、なぜそのコンテンツは反復訓練なのに面白いのか。

「面白さ」のスコアが高く出る「反復訓練型」のビジネスゲーム。

それは。。。当社の財務ゲーム「パースペクティブ」でした。

パースペクティブの面白さ

このコンテンツが面白いといわれるのは、単純に知的に刺激があるということもありますが、もう一つ別な理由がありそうだったので、その点について少し書きたいと思います。

ゲームは、意思決定(インプット)と結果(アウトプット)が繰り返されるのが通例です。ただ、その形式には、代表的な3つの類型があると考えています。

  1. 同時進行ゲーム
  2. 各参加者が決定した意思決定が同時に公開され、結果となって表れます。
     例)じゃんけん・大貧民
     

  3. 交互進行ゲーム
  4. 各参加者は相手の意思決定を受けて、次の意思決定を行い、都度、結果が発表されます。
    ただし、待ち時間が長いので、グループ対抗が難しく、テーブル内完結になることが多い。
     例)将棋・チェス・野球
     

  5. リアルタイムゲーム
  6. 「時間」の制約の中、各参加者は繰り返し意思決定を行います。

    リアルタイムゲームでは、時間内に意思決定を行い、即時に結果が得られ、その結果を踏まえ、意思決定を更に行うか、やめるかが選択できます。
     

イリンクス

ロジェ・カイヨワの「遊びと人間」に登場する遊びの4つの要素のうち、「眩暈(イリンクス)」が得られるのは、このリアルタイムゲームです。

この「眩暈(イリンクス)」の要素が強めにでているゲームは、当社だと、「パースペクティブ」と「コーヒーブレイク」だけなのですが、そういえば、どちらもとても評判がよく、周囲を見渡してみると、有名なビジネスゲームはリアルタイムゲームであることが多いのです。

このリアルタイムゲーム性がパースペクティブにはとりいれられていて、時間内に何度も財務諸表を作り直すのです。これが、マニアックだけど面白いのです。

なので、ゲームがつまらないと思ったときには、「リアルタイムゲームにできないか」を問うと、突破できるときもあるかもしれません。

付記)パースペクティブは、普通の研修とはフォーカスしている部分が異なります。ゲームの主体は通常は、意思決定なのですが、このゲームでは、意思決定を主体とするのではなく、意思決定結果を財務諸表に落とし込むプロセスと、「完成させたい」「負けたくないのでよりよくしたい」というい欲求に働きかけている面もあります。この点も影響して「面白さ」が高いのかもしれません。

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