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ジレンマ問題型のケースと線引き問題型のケース

自分の過去の習慣として、何か嫌なことがあったら、それを昇華するためにケースに書き落とすというものがありました。

この数年は、特に嫌なことがないからなのか、ケースを書くこともなくなっていますが、当時は非常に心が落ち着く効果があって、好きな活動の一つでした。(エクスプレッシブライティングといって、レジリエンスを高める手法なんだそうです。)

そうしたケースを書く際に、留意することは、自分目線でのケースを書くことと、相手目線でのケースを書くことです。この両者を書くことで、相手の立場がすとんと落ちてきて、クールダウンできることもありました。

そのようなケースを書いていると、どうしても「ジレンマ」のあるものばかりを書いてしまうのですが、実はケースにはそうしたものだけではありません。

ケースがどのようなものを扱っているかによって、種類が分かれるという考え方があります。一つは、「ジレンマ問題型」、もう一つは「線引き問題型」です。

それぞれ説明しましょう。

ジレンマ問題型

ジレンマやトリレンマといった、あちらを立てればこちらが立たずといった問題を扱うものがジレンマ問題型のケースです。

例えば、「下手に注意したらパワハラになってしまいかねないが、言わなければ業務が進まない」といったものや、「やればうまくいく打ち手があるが、そこには多額のお金がかかる」といったものがこれにあたります。

この手の問題は、止揚できれば何よりですが、できない場合は、何らかの理由をつけてどちらかを選択することになります。片方を選択するということは片方を排除するということを含意していますね。

線引き問題型

ケースに対して、ここまでであれば許されるがここまでだと許されないというものがあります。この線引きを行うことで、自分の考えが明らかになります。さらに、自分の考えと他者の考えと比べることで、その線引きが人によって異なることがわかります。こうした場合に、線引き問題型は有効です。

更に、線引きをしたものに対して、会社の考える正解がある場合は、それに照らし合わせると、更に面白くなるでしょう。

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ゲーム研修における「ケース」

それぞれについて、当社のゲーム研修を例にあげて考えてみましょう。ゲームで使われるカード類もある種のケースだからです。

まず、ジレンマ問題型です。単純な二択ではありませんが、イエナイヨボスの品格がジレンマ問題型だと考えられます。

次に線引き問題型です。これは、人事考課を扱ったit’s too rateが該当します。各自がつけた評点に対し、人事が実はこれが正解と開示すると驚きと、その理由が知りたいという気持ちになり、学習へのエンゲージメントが一気にあがります。

また、とある会社向けに開発した「目指せ!わかってる系MENZ」という男性だけを対象(もうすでに時代に合わないかもしれませんが)にしたハラスメント研修も、「正解がある一方で、その線引きが従業員に認知されていないため、講師側が正しい答えや関連法規を教える」という点で有効な手法でした。

ちなみに、ジレンマ問題と線引き問題だと、個人的には線引き問題の方が開発が難しい印象があります。「絶対的な正義」が存在していないと作りにくいためです。

扱う事例がどのようなものかを意図しておくことで、学習効果が変わることがあります。


続編として、「研修参加者からケースのリアリティについて問われたら」を書きました。ぜひ、併せてご覧ください。

研修参加者からケースのリアリティについて問われたら

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