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ゲーム研修で起こる「奉行問題」に潜むリーダーシップの問題とは?

ゲーム研修でたまに起こるのは、奉行問題です。鍋奉行よろしく誰かが仕切ってしまうことで、本来グループとしての意思決定を期待しているにも関わらず、誰か一人の意思が反映されてしまうという問題です。

実は、これは奉行側の問題だけとは限りません。合意と同意に関する根深い問題があるのです。(以前、弊社浮田が奉行問題について書きましたが、今回は、さらにもう一歩踏み込んだ内容となっています。)

合意形成をするのはめんどくさい

複数名で意思を決める場面は、日常生活でも、ビジネスの場面でも多々あります。例えば、「今日のランチどこに行く?」「打ち合わせはいつにしようか?」といった会話にも意思決定が必要で、合意形成をしようと思えばできます。

ただ、このような場面で本当に合意形成をするでしょうか。全員が行きたいランチを挙げる、それぞれが打ち合わせの候補日を挙げて調整するといったことは少ないように思います。特に、時間がないときほど合意はなされず、同意になる傾向が強いように思います。

先日のコラムで合意と同意の違いについて書きました。自分の意見を主張する必要が高くなければ、「合意を取る」のではなく「同意する」で十分な場面が多いのです。毎日のランチや、打ち合わせの日程決定であれば、誰かの意見に同意しておけばすんなり決まります。だから意見を言わない人も多いでしょう。

同意だけしていると「同意癖」がつく

ただ、これが危険なのではないかと思います。同意ばかりで自分の意見を主張しないでいると、いつの間にか「同意癖」がついてしまい、合意と同意が同じようなものになっていってしまいます。

コンセンサスを学ぶ最も重要な意味とは、がちがちに引っ付いてしまった合意と同意を引っぺがすことなのではないかなとも思います。この二つを分離させ、自分の意見を発信することが第一歩なのではないかと思います。

コンセンサスの前段にはアサーションがある

私たちの研修でも「アサーション」の研修が人気であり続けるのは、そういった理由なのかもしれません。

合意のためには、その場にいる人々の意見が表にでてくること、そして、その調整が必要なわけですから、まず意見が表にでてこないと合意はなされないのです。

ビジネスゲームを用いた研修には、合意が必要な場があることが大半です。しかし、合意がとれないことがあります。なぜかというと、各人が「意見を出せる」ようになっていないためです。意見が出せなければ、ビジネスゲームでグループを組んでも、その中の一部のメンバーの意見に対して、その他のメンバーが「同意」するだけで、質の高い結果につながらないだけでなく、ときに意見を出したメンバーの責任になってしまうことにすらあるのです。


このように、習慣的に同意癖がついてしまっていると感じる場合、コンセンサスを学ぶことには意味があるように感じます。合意形成のゲームをして、自分で意思決定したことをきちんと言わずに同意になってしまっていることはないでしょうか。この「同意」と「合意」、そしてその先にあるある種のリーダーシップ(次回以降はこれについて書きます。)をきちんと伝えること。これがコンセンサスを学ぶ際には必要なのです。

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