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緊急事態宣言とデータ配布

再び、緊急事態宣言が発令されました。オンラインの研修は影響が少ないと思っていましたが、年始はその影響を大きく受けました。

まず、研修のテキスト・資料の配布についてです。多くの企業は完全在宅になってはおらず、一週間のうち、数日は出勤しているため、会社でテキスト・資料の配布をし、それを自宅に持ち帰り、オンライン研修に参加することができていました。

それが緊急事態宣言で出社頻度が減り、最終的にテキストを渡せないので、個別宅配といった対応や、データ配布といった対応に変更せざるを得ない会社が数社出ました。ただ、宅配ができるケースは多くはありません。「データ配布にすれば良い」は簡単に思えますが、スケジュールが逼迫した状況では困難もあります。

特に、データ配布で行う研修と紙で行う研修では設計が変わってくるということです。オンライン環境で、紙のテキストを用いずにデータ配布を行う場合に留意すべきことを書いておきます。

▼データ配布に切り替えると発生しがちな6つの問題

●参加者のリテラシーが足らず、データが閲覧できない

全画面共有をされているときに他のアプリケーションを開く方法がわからないといったことがあります。この場合、操作方法を研修時間中に説明する必要があります。

●デバイスの問題で文字が小さくなる

紙は、ある意味ではデュアルディスプレイの役割を果たします。スライドと同じものが配られている場合はそれほど問題にはなりませんが、そうではない場合に問題が出ます。ノートPC環境が多い中では、デバイスの画面に二分割するよりありませんが、紙のテキストがないとついメモ帳にメモを取ることになります。こういった活動も加わると、画面共有時の文字サイズがかなり小さくなって読めなくなることもあります。

●スライドと配布資料は同じではない

スライドは「運営」に適したものですが、「配布資料」は運営のためのもので、内容が同じとは限りません。画面共有する場合は、大半は重複しますので、配布資料は「事後確認」用に特化したものになるでしょう。こちらは、ケース・バイ・ケースです。画面共有される研修ばかりではなく、手元資料を参照して画面共有はしない会社さんもあります。また、テキストデータがパワーポイントの2in1などであればここは問題にならないこともあるでしょう。

●データはなかなか見てもらえない

データを配布する場合には加工できない形式で配布することが多いでしょう。その場合、メモはメモ帳やワードなどに取ることになります。その場合、研修が終わったあとに、データが分かれてしまいます。研修後に、メモだけを読んでも理解できないでしょうし、直接書き込んでいない場合にわざわざデータを開けてメモと照合するほど熱心な参加者は多くないのではないでしょうか。

●学習とは違う方向に注目してしまう参加者が出てくる

また、まれに見るのが「きれいなノートを作りたい」ために、講師の話をそっちのけで、pdfの資料のスクショを取ることに執心する例です。こうなってしまうと、集中が削がれてしまいますので、研修効果が期待できるとは言えません。

●カスタマイズが必要になる

こうしたことから、研修の内容によっては、内容をカスタマイズ(例えば、文字サイズの変更や、カリキュラムに操作方法の説明追加など)しないと紙と同じ様な学習効果が出せなくなります。そして、ご存知の通り、カリキュラムの調整は簡単な作業ではありません。更に、外部業者の資料の場合は、データ配布の場合は、知財関連などで参加者に合意を取るなどの一手間が必要になります。更に、カスタマイズには時間とコストがかかりますので、これまでと同じようなリードタイムでは困難もあるでしょう。

▼紙ならではの利点

紙には紙なりの強みがあります。テキストメモにはテキストしか書けません。講義を聞いて頭の中に浮かんだ「構造」に代表される図解などは紙ならメモできます。更に、データがまとまって参照でき、かつ該当部分とメモをつないで書くこともできます。

こういった利点は、データ配布を行って不便さを実感したことから初めて得られるもので、昨年社内でテストを行った際に、データ配布と紙での比較をしましたが、紙の支持が圧倒的でした。

当社は研修の内容そのものももちろん大切ですが、研修で何を考えたのかといった研修内での気づきをとても大切にしているので、基本的にはデータ配布を行って別紙にメモをしてデータの統合性がなくなることに対して消極的な立場です。

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