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価値観をテーマにしたビジネスゲーム研修の開発背景(後)

価値発見ツール「かちかち山」

価値提供の構造を再現する

話題は変わるが、顧客への価値提供は以下のプロセスで実現される。

  • 価値を提供する側、例えば自分、が
  • 価値を受け取る側、例えば顧客、に
  • 価値を移動する

自分視点では、この構造になるが、私たちは常に提供者とは限らない。経済活動は相互に助け合うことで成り立つから、時には提供し、時には受け取ることになる。となると、

  • 価値を提供する側、例えば取引先、が
  • 価値を受け取る側、例えば自分、に
  • 価値を移動する

のも主体が入れ替わっているだけで同じである。この構造がある中で、3行目の「価値を移動する」に注目するのが「かちかち山」の断面である。

「ずっとも」はかちかち山を使って検討された

余談だが、「ずっとも」はこの「かちかち山」ともう1つのコンテンツを使って検討された。

  • 価値を提供する側、カレイドソリューションズが、
  • 価値を受け取る側、人事やその先にいる研修参加者に、
  • 「どんな」価値を移動すれば「価値が高い」と思ってもらえるのか。

例えば、「コミュニティに所属できる」という価値があるとしよう。研修サービスでそれを提供するのはなかなか難しい。ただ、「ずっとも」ではみなさんが同じツールをもっている。であれば集まることで「コミュニティに所属できる」価値が提供できると考えた。それで生まれたのが実演会だ。顔を合わせる方々と利用の状況を共有し続けることで新しい価値が生まれると考えた。この活動を俯瞰して考えてみると、価値を切り口に、顧客の立場にポジションをチェンジして、顧客が取引をする理由となる提供価値を考えているわけである。「コミュニティに所属できる」が購買の直接動機になるとは思っていないが、付加価値の1つになっていると感じる。

顧客への価値提供は自分たちの価値観明確化の裏返し

ところで、商売は価値の交換である。このため「顧客に価値を提供する」のは商売の前提である。例えば、当社が「耳かき」の販売を始めたとしたらみなさんは違和感を持つだろう。もちろん、耳かきは大きな価値を提供するものである。しかし、当社への期待と異なれば、顧客は違和感を持つだろう。当社の顧客が当社に期待しているのは何でもいいから価値を提供することではない。当社が「当社の価値観通りに価値を提供すること」である。

例えば、顧客起点のマーケティング発想は、自社が自社の価値観を踏まえていることは大前提である。しかし、前提は語られないことが多い。「顧客に価値を提供する」ことは「自分たちの価値観を明確にする」ことの裏返しであり、「顧客に価値を提供する」と「自分たちの価値観を明確にする」をつなぐ接点となっている。

二本の価値さがし

「顧客に価値を提供する」と「自分たちの価値観を明確にする」は、類似していると薄々感じていたが、本件の開発開始時点では別物と考えていた。このため、「ずっとも」のラインナップでも2コンテンツとして想定し、開発を進めていたところ、上述の通り、顧客に提供する価値を検討することと、自分たちの価値観を考える行為は同根で、1つにまとめられることが分かった。自社の価値さがしと、提供する価値さがしの二本の価値さがしが楽しめるコンテンツになりうることがわかった。

ちなみに、価値を扱う2つのコンテンツがセットで、価値がザクザク発見できることから「価値×2山」、読みやすくして「かちかち山」と命名した。サブタイトルは二本立てを意識して「二本の価値さがし」とした。(アクセントを間違えると「日本昔ばなし」に聞こえるので注意。)ロゴにひっそりと、数字の2を入れているので探してみてほしい。

組織風土はどうつくるか

かちかち山をとある会社のマネジメント研修で実践したので、その結果を簡単に記載する。当社においては、比較的古典的なファヨールの経営管理論に基づき、「行動規範」によるマネジメントを志向していた。最近の言葉でいえば、トランザクショナルリーダーシップの徹底とでもいえばよいだろうか。

書籍「経営管理論」によると、組織文化を作るものは、行動規範とその基になる価値観と更にその基になる信念であるとする。つまり、信念→価値観→行動規範というリニアな関係が成立している。このため、行動規範を考える前に価値観を考えるのは自然である。価値観が行動に現れたものが行動規範だからだ。

規範とは『普通』のことである

さて、そもそも規範とはどのようなものだろうか。規範と名のつくものには、倫理規範・道徳規範・法規範・宗教規範など様々なものがある。非常に簡単にいえば「ルール」のことである。規範を英語にすると”norm”である。ロシア語で、シベリア抑留者が戦後日本に持ち込んだ「ノルマ」も同根の言葉であるが、normで始まる言葉で最も有名なものといえば、”normal” である。”normal”とは「普通」である。つまり、「その組織において」普通であると考えられる事柄が「規範」であり、ノルマという言葉の持つ強制性からも分かる通り、その組織の一員である以上、絶対に守らなければいけない普通の状態が規範である。この規範があるからこそ、マネジャーは規範に則って部下指導を行うことができる。なので、規範はマネジメントの基本のキなのである。

「べからず」の方が伝わる

規範の表記の仕方には2種類ある。「すべき」と「すべきでない」である。これまで様々な研修や自社での部下指導の経験を踏まえて思うことは、「すべき」には「すべきでない」が含意され、「すべきでない」には「すべき」が含意されているのだが、含意は見落とされやすい。例えば、「始業時間には業務を始められる状態になっているべきだ。」には「始業時間に遅れてはならない」が含意されているが、前者のみを語ると思考しなければ後者が現れないため、弱い言葉になってしまう。なので、罰を伴うことは「すべきでない」の形で表現したほうが伝わりやすい。

価値観を選んだ後は敷衍する必要がある

価値観とはある種の「らしさ」である。「自分らしくいられる」価値観を選ぶ必要がある。そして、そこから自然とでてくる「普通の行動」が行動規範なのである。

価値観を定めるのは本来非常に難しい作業である。かちかち山の一つの価値は、難しい価値観を簡便に定められることにある。カードになっていることの効果である。マネジメント研修当日は、この通りに「選ぶ」形で進めた。その結果、テーブルごとの価値観を定める作業は短時間であったにもかかわらず順調に進んだ。これはまさにカード化されていることの効果である。一方で、カード化されているということは、考えてひねり出さなくても良いように選びやすさを重視しているということである。つまり、思考を促さないという欠点もある。かちかち山の標準のルールにはないが、数を絞り込んだあとは、「なぜそれを選んだか」の言語化と「自分たちにふさわしい/わかりやすい言葉」に敷衍すると思考につながるため良いだろう。

経営理念との整合性を意識する

また、マネジャー全員が総意として選んだ価値観はときに経営理念と合致しないことがある。これはファシリテーターとしては非常に美味しい場面である。なぜずれるのかは、思考を促すネタである。大半はずれないが、やはり人間のやることなので、多少ズレてしまう。価値観は普遍的なものではない。アメリカの調査でも、人が重視する価値観はこの30年でどんどん変化しているそうだ。一方で経営理念は基本的には普遍的なものである。このため、ここがズレるのは当然である。

本コラムは、「かちかち山」デザイナーズノート及び-補-からの抜粋です。

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