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「ずっとも」第一弾コンテンツ「雑技談」リリースにあたって

コミュニケーションを円滑にするにあたって、雑談の果たす役割は大きい。

こんなことはないだろうか。例えば、若手社員と先輩がランチにいった際に、若手が黙ってしまっていて話がはずまない。それに対して先輩も何かを投げかけることがなく、沈黙が多いランチになってしまっている。シニア社員が世代の差を理由に若手とコミュニケーションが取れていない。若手が先輩らと話題がなくてこまっている。職種によっては、客先に常駐する社員が、ビジネスの話題はするけれどもそれ以外の会話はできていない。営業先でアイスブレイクがうまくないために会話が弾まない・・・。

このように雑談の利用場面は豊富であり、雑談の弾み方次第で仕事の成果に影響がでることは想像に難くない。

一方、かくも重要な雑談が研修テーマとしてフォローされているかといえば、そのフォロー度合いは低いと言える。収益に直接影響を与える営業研修の一コマとしての採用は見受けられるが、その他での採用は少ない。

なぜか。それは、雑談のスキルとは多くの企業にとって持っていて当然の「常識」なのである。採用上でコミュニケーション力がある人だけを採用しているということもあるだろうが、「常識」とされるテーマは研修では比較的カバーされない。これは雑談に限らずに言える真理であるが、逆説的に多くの会社で本当の問題としてあげられるのは、こうした常識力の差だったりするのである。例えば、昨今では、「漢字ドリル」「数学力」「やり抜く力」「人間力」などがブーム化した。かつては論理的思考力も「大人なのだから論理的に考えられて当然」とされていたものが、論理的でないことが明らかになった結果研修テーマになった例の一つである。大学を出ているのだから、大人なのだからという理由で研修テーマ化していないものは多いのである。

さて、雑談を学ばないことにリスクはあるのだろうか。実は雑談力が低いと、話が弾まないというだけでは片付かない。以下にいくつか例を挙げよう。よく、政治や野球の話は避けようという話があるが、人によっては「えっ、それだめなの?」と思う例もあるかもしれない。
・男性社員が女性の顧客に「何駅にお住まいですか?」と聞いた。
・若手社員が顧客に興味本位で「持ち家ですか?」「住まいの家賃はどれくらいなんですか」と聞いた。
・婚活中・妊活中の女性に、「結婚しないんですか」「お子さんいないんですか」と聞いた。
・・・

多くの場合、自分が体験していないことは話題にすることがリスクだと感じられないのである。これらを研修で学ばないことはリスクだと考えられる。

では雑談とは一体なんなのだろう。例えば、上司が部下に事実確認をする、明確化のための質問をするというのは雑談なのだろうか。コミュニケーションは多くの場合、何らかの目的を達成するための手段である。しかし、雑談はそれ自体が目的となるコミュニケーションという点で特異な存在である。このため、ともすると目的のない行動として雑談を忌避するビジネスパーソンも多い。どちらかというと私もそのタイプだ。だからこそ学ばれない点も興味深い。

また、何ができたら雑談ができたといえるのだろうか。研修のデザインではこうしたものが重要になる。これも汎用的に言える話だ、何か物事を考える際には、幅の広さと深さのフレームワークで考えるとよい。雑談では、上述の通り、コミュニケーションの継続が目的である。なので、まずは話題を広げること、例えば、質問することや投げかける話題の豊富さが重要になる。また、一つの話題を深掘りしていくことで相手が気持ちよく話せることこと、いずれの場合も雑談ができたといえる。

もちろん、その他にも、もしかしたら相手目線で相手ニーズをつかむことや、マナーなどもあるのかもしれない。しかし、ニーズ把握のための観察やマナーなどは雑談とは別テーマである。このように考えると、雑談がうまくなるためにすべきことは、幅を広げること、深掘りするための技を習得することの2つが中核のスキルセットになる。

ただ、注意すべき点もある。前述のように話題の中には、バックグラウンドや背景を同じくする友人間では通用しても、そうでない間柄では避けるべき爆弾があるのである。これらも同時に学ぶ必要があるのである。

当社では、こうした考えに基づき、幅を広げる方法を検討したところ、幅を広げるには3つの観点があることが分かった。まず、当たり障りのない安全な話題、相手が開示してくれば乗って良い注意が必要な話題、話題として取り上げるべきでない危険な話題である。まずは、これらを弁別できることが重要である。また、同時に話題をカテゴライズして想起できることも重要である。雑談について書いた本ではよく「裏木戸に立てかけし衣食住」というものが使われる。これは、「裏話」「季節の話」「道楽」・・・の頭文字を取ったものである。実はこれは人間の認知の限界である5±2を越えるということや単語の選び方に問題があるため、実用に耐えない。

また、深掘りで有名なのは「さしすせそ」である。これは聞いたことがある人も多いと思う。砂糖・塩・酢・・・ではなく、「さすがですね」「しらなかったです」「すごいですね、すてきですね」・・・といったものである。フレームワーク全般にいえることだが、このフレームワークを使ったことはあるだろうか。もし、「ない」という人がいれば使ってみてほしい。実は私も「さしすせそ」は何年も前から知っていたし、内訳も知っていた。それぞれを時折使っていたという自負もある。今回、本件を整理するにあたり初めて本腰をいれて使ってみたのだが、驚くべき効果があった。二人組をつくり、相手が何か言ったら、「さしすせそ」で返す。やりすぎると、少し馬鹿にされている気分にならなくもないが、身振りなどをつけてやってみると効果てきめんで、当社でメンバーとやったときは笑がとまらない場になった。

このように、雑談を定義し、幅と深さの両面で訓練できて、危険も認知できる教材は多分世の中に現時点では存在しないと思う。

【本エントリは、雑技談提供時に提供される冊子からの抜粋です。】
【下書きが長期間にわたってウェブに掲載されておりました。失礼いたしました。】

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