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理解を促すために「極端」を使う

人がものを理解することは、違いを知ることです。「違いを知る」ためには、類似したものを比較することで微差を認識することもあれば、極端なものを対比することで違いを認識することもあります。
リーダーシップ理論のようなものはその最たるものなのではないでしょうか。例えば、「リーダーシップ」と十把一絡げで扱われがちな概念を有名な”マネジリアルグリッド”では、極端な例を対比することで違いを浮き彫りにしています。
マネジリアル・グリッドでは、リーダーシップの行動スタイルを、人への関心と業績への関心にわけました。そして、その度合を9段階にわけ、9×9のマトリクスをつくり、「典型的な」類型を示すことで、リーダーシップのスタイルの違いを浮き彫りにしました。
マネジリアル・グリッドでは、1:9、9:1、9:9、1:1、5:5というある意味で極端な例を取り上げています。ただ、現実を見てみると、これらのうち、5:5以外の類型に属する人物像はそれほど多くないでしょう。現実には、5:5の周辺に多くのサンプルが分布しているはずです。1:9の人材は極端すぎて、ほとんどサンプルがないのではないかと思います。
では、なぜこれを「類型」としたのかといえば、それを知ることで、5:6と6:5の人の差異や、4:5と5:6の人の差異といったものが見えやすくなるからにほかなりません。つまり、文字通りの極端(極めて端)を知ることで、理解が進むのです。
先般、イエナイヨ管理職版のキャラクター設定が極端だという話を書きましたが、これはまさに極端であることで理解が進むという理由です。極端な人物像をカード化しているから、それらへの対応が学べるのですが、ほとんど差のない現実に近い人物像では、まず違いを認知するのが精一杯で、「こういう人にはこういうアプローチ」という手続き的な知識は身につきません。
よりわかりやすくいえば、ドラえもんのキャラクター設定を思い出すと良いでしょう。ジャイアン、スネ夫、のび太といったキャラクター設定は現実にはどこにもいません。しかし、あれらのキャラクターを幼い頃から見聞きしたことによって、ジャイアン寄り、スネオ寄り、のび太寄りを私たちは容易に弁別できるようになっているのです。

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