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偶然と必然

私は説明会をするときに、必ず「前提条件を合わせる」ということをしています。前提条件とは、ビジネスゲームとはどのようなもので、どのように使えるかというものなのですが、最近、1つ追加で説明した方が良さそうなことに気付きました。

それは、「”偶然性”」「”運”」の必然性と重要性です。

ビジネスゲームを作成するときには、

「”偶然性””運”の要素をどのように入れるか」

をかなり意識します。

ゲームのプロトタイプは、理詰めで考え抜けた人が勝てる設計になっていることが多いのですが、それだと、”地頭が良い”参加者・チームが必ず勝利し、そのゲームに負けた参加者・チームは、逆に”地頭がよくない”という烙印を捺されてしまいます。

これでは実施する側も参加する側もあまり気分が良くありませんね。

逆に、 偶然性・運の要素が強すぎると、「人生ゲーム」のように、娯楽としては抜群に優れているけれども、学びの要素が薄くなります。

このため、ゲーム作成の最終段階で、必ず運と偶然性の要素を追加して、バランスをとります。ゲーム作成の最終調整はほとんどこの部分に費やされます。

それで、興味深いのは、ゲームに勝利した人は、明確に勝った理由が説明できるのに対し、ゲームに負けた人の多くは、引きの弱さなどの運や偶然性に原因を帰結させる傾向があることです。

以前読んだ内田樹さんの”下流志向“という書籍に、「上流は、自分の成功を努力などの結果の必然と信じ、”リスクヘッジ”をする。逆に下流は、他者の成功を運の結果と信じ、”リスクテイク”をする」とありました。

ゲームでも、負けているチームほど一発逆転を狙い、過剰にリスクテイクをし、目算に反して勝利から遠のく傾向があります。最近、このあたりを非常に興味深く観察しています。

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