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当社に「内部統制」の研修ができるのか!?

「内部統制」に関する研修のご相談を受けました。長年研修の仕事に携わってきていますが初めてのことです。内部統制に関する専門性はありませんので、「内部統制の研修ですか?経験がありません」と断りそうになりましたが、お話をしっかりと伺ったところ、実現したいことは内部統制というキーワードから想像される内容よりも手前のもので、私たちが対応できそうなものでした。

内部統制は業務があるからできる

そもそも内部”統制”では何を”統制”するのでしょうか。「統制」は、統制する対象である業務の存在を前提としています。統制する業務があるから「できている・できていない」といったことを判定できます。なので、統制すべき業務が存在しなければ内部統制はできないということになります。

では、まず統制すべき「業務」から内部統制の準備をしようとした際に、どこから始めたらよいのでしょうか。内部統制の原点は、各自が自らの業務を整理すること、つまり棚卸です。棚卸では、自分がやっている業務やそのプロセスを可視化します。この業務ごとのプロセスのことを「ワークフロー」と呼びます。

「ワークフロー」とはどのようなものか

ワークフローは、一般の方には馴染みが薄い言葉かもしれません。プログラミング経験のある人にはプログラミングのif文やループなどをイメージすると分かりやすいと思います。プログラミングでは、ワークフロー通りに処理されるようにプログラムを書いていきます。「トリガー」という引き金が引かれたらどんな順に「アクション」を行うのかを整理する、そして、条件による分岐があれば条件に応じてアクションを分岐させる、こうしたものがプログラムです。

「ワークフロー」を作る側と処理する側の目線の違いとは

ワークフローの作成は多くの会社員にとっては縁遠い業務かもしれません。誰かの決めたワークフロー通りに適切に処理することを求められる仕事の方が世の中には多いからです。このため、一般社員の目線はワークフローの前工程から後工程を順になぞっていきます。一つ処理したらその先に次の業務がある。そうしたものの見方をします。

一方、作る側の目線は全く逆です。何らかの成果物を得たいために成果物をゴールとし、ワークフローを後工程から逆算して書いていく。ワークフローを学ぶことで、この視点をスライドすることができるのです。

磨かれていないワークフローにはリスクや抜け漏れがある

ワークフローを作り終えたら次は点検します。ワークフローは大企業であれば完璧なものが作られており、「抜け漏れ」や「リスク」への対策がなされていると思いますが、新しい業務を自分でワークフロー化した場合は、大抵「抜け漏れ」や「リスク」があります。リスクは一定の確率で顕在化するもので、それが対処が必要という場合は、予防策を検討することで、それがワークフローに組み込まれます。そうしてワークフローは精緻なものになっていき、大手企業ではそうした仕組み化がなされているのです。

しかし、コロナ禍では多くの企業で、業務が変わったり、なくなったりしたため、ワークフローの見直しの必要性がでてきました。オンラインやDXに伴う処理などはその最たるものでしょう。そうした中で、ワークフローをゼロから作成した経験のある人が少なかったことで、整備が追いつかず混乱が生じました。今でもワークフローが整っていない会社がまだまだあると思います(ご相談いただいた会社さんはそうではありませんが)。

当社が内部統制の専門家でなくても研修ができるのはなぜか

私たちにはこれまで、OJTトレーナー研修の中で「業務の洗い出し」と「ワークフローの作成」を行っていること、プロジェクトマネジメント研修で「リスク評価」を行っていることや、そのケーススタディを保有していること、リスクマネジメント研修を開発していて「リスク」についての一定の理解があること、こうした経験から、私たちには研修を提供するケイパビリティがあると判断したのです。

内部統制のご相談を振り返って

実は、この研修は個人的に良い機会だと思っています。当社は、このところ、製造業とのかかわりが深くなっており、製造業では危険予知やリスクアセスメントなどが重要となります。本件は、こうした話と通じるところがあり、ちょうど昨年末にも岡山の会社さんと製造業のリスクや正常性バイアスの話をしていたのです。その後、千葉の会社さんからも類似のご相談を頂き、仕事が統合的なものになってきていると感じます。

最後に、一つ反省を。私たちの仕事は、こうした信頼関係のもとにいろいろとご相談いただくように長年のお付き合いをすることが多いものです。ただ、コロナ禍でお客さまとの関係性が一時期途切れてしまったことに伴い、そうした流れが途切れていたことと、個人的に内部統制はテクニカルスキルに属するものという思い込みがあったため、フラットに聴くことができなかったことを反省させられました。
ご発注いただいたことで、もう一つ当社のできることが進化する予感がしています。

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