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草食系起業について

先日のコラムに自分は「草食系」と書いたら、「草食系は普通起業なんてしません。」という意見を頂きました(笑)

これまであまり書いてこなかったのですが、実は草食系だからこそ起業するのだと思っています。この話を友人にしたところ、その友人から「普通じゃないので、コラムに書いたほうがよい」といわれました。

私のバックグラウンドに大きく根ざす部分なのですが、私は社会にでてから入社した1社目、2社目の会社がともにもう市場に存在しません。双方ともに零細企業だったわけでもなく、2つとも上場した企業です。

私は幸い船が沈む前に下船することができたのですが、やはり自分の選んだ会社が潰れていったという事実、そしてその2社が共に「モラル」を原因に潰れていった、ということは社会人としての強烈な原体験として私の会社観に影響を与えているのです。

これらの経験から、「会社に勤めるということは、会社に人生を預けるということ。人生を預けるということは、自分という全財産をその会社に投資すること」という基本認識を持っています。投資をやっている方ならわかると思いますが、資産の少ない若者にとって、最大の財産は自分です。これを一点集中するということは、「たまごを1つのかごに盛らない」の大原則に反しています。つまり、かごを落としてしまう(=会社がなくなってしまう)と、全てを失ってしまいますので、超ハイリスクです。

かごが地面に着地してしまったあとの話しを聞くこともあるのですが、「恐怖」を感じます。自分の年齢が転職困難年齢だったらと考えると、怖くて仕方ありません。私の場合、若い頃の出来事だったので、笑い話で済ますことができますが、40代・50代だった社員が今どうしているかなどは、怖くて聞けません。

一般的な投資の場合は、IRなどでその会社の状態をある程度正しく知ることができますし、分散も出来ます。しかし、就職の場合は、定量情報は分っても、その会社の経営者がどんな考え方で経営をしているのかは十分には分らないと思います。特に、非上場企業の場合などは、経営状態すら分からない状態で入社を決定せねばならず、また、投資に失敗したとしてもそう簡単には売却(転職)できません。

結局、就職するということは、自分の人生をその会社を経営している経営陣に預けるということに他なりません。こう書くと、「自分の力で会社を変えてやるという気概が・・・」などと考える方もいるとは思いますが、自分が一般社員で、社員10名の場合、自分がプラスアルファで出した成果は、1/10に希薄化されてしまいます。社員1万人だったら、1/10000に希薄化されてしまいますので、1人の力は限りなく無力に近いのです。

また、「管理職になれば変えられる」という考え方もあると思いますが、管理職になるまでの年数は、大手になればなるほど長く、この期間のリスクは独力ではコントロールできません。

こう考えると、世の中で一番安心なのは、自分で自分を食べさせることになると思います。少なくとも自分の力くらいはそれなりに把握できているでしょうから。

どうせリスクが高いなら、自分が信じられる自分に投資した方が、安心・安全なんです。安心・安全を追求し、決して危ない橋は渡らないという私の経営姿勢は、ベンチャー企業っぽくはないと思うのですが、そういう起業家というのもありなのではないかなぁと最近思うのです。

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