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コーチ量産時代のコーチのサバイバル

コーチングという考え方があります。

コーチング万能論が世間的にもう過去のものであるという考えはもはや常識と思われるので、これについては言及はしません。

今、コーチ余りの時代になりつつあるといわれています。

以前日経産業新聞で、社内向けコーチを4ヶ月で養成すると発表したコーチング専業会社がありました。今後はますますコーチ余りの時代になってくるんでしょう。

法曹界にロースクールOBが出てきて、アメリカのようになる傾向が見えてきたように、安価で良質な手術ができるインド医療に患者が流れ、医者の仕事が減ってきているように、コーチの業界にも供給過剰の波が押し寄せつつように思えます。

しかし、個人的には、コーチングというものは、まだ市場が完全に形成されていないのだと感じます。売り手は山ほどいるけど、買いたいと思う人を余り聞きません。患者のいない世界の医者に近い印象を受けます。

そんな状況にあるのが日本のコーチング市場だと感じています。(周りにコーチング受けてますって人あまりいませんよね?)

部下指導スキルの1構成要素としてコーチングの名前はビジネスパーソンを中心に知られていますが、まだまだ実際にコーチを付けている人は多くありません。

以前の日経の夕刊にこんな記事がありました。

「マタニティコーチング」というのが英国で注目されているようです。

ちょっと長いですが、以下引用です。

やる気があるワーキングマザーを職場に繋ぎ留めるため、育児と仕事との両立に特化して相談に乗る「コーチング」が英国で注目されているという。(中略)

英国の企業は今、優秀な社員を失うと新たな採用や研修に多額の費用がかかるなど損失が大きいため、人材の引き留めに件名である。それは「ウォー・フォー・タレント」とさえ呼ばれる。その一環として出産前後の「マタニティーコーチング」が注目され始めている。(省略)

企業では昇進、異動などの節目を迎える社員に実施することがあったが、出産した女性の職場復帰に的を絞って実施するケースが増え、新しいトレンドになっている。(省略)

マタニティーコーチングを手がけるコンサルティング会社は何社かあるが、なかでもロンドン郊外のトーキングタレント社は働く女性向けのコーチング専門会社として注目されている。様々な問題について、コーチは押し付けではなく本人が決定できるよう、一人一人の事情にあわせきめ細かく情報を提供する。(省略)

コーチングによって企業は貴重な才能を確保でき、女性は職場復帰への自身を持てる。(省略)

日本では出産を機に、働く女性の約7割が職場を去るといわれる。そろそろ「日本版マタニティーコーチング」導入を検討してもいいかもしれない。

アトラクション&リテンションが人口減少社会を迎える日本の重要課題といわれ、社員の生産性向上や女性の活用などに注力し始めている中では確かにこのような取り組みは重要だと感じます。

しかし、ここでこのことについて話すと枝葉の話になってしまうので、ちょっと避けて話を元に戻すと、結局のところ、コーチングは上記のような形で環境変化を捉えた新たな市場を作り出す段階に来ているということです。

経営に詳しい医師・弁護士など、専門領域を二つ以上持つ高度専門職が高付加価値を創出できるように、コーチにも今後は専門領域を生かしながら市場を創出することが求められてくるのだと思います。

以前、「ドラゴン桜」という漫画を読んでいたら、こんなようなことが書いてありました。

「議論てのは、思考レベルが同等でないと成立しない。劣ったものにするのは(議論ではなく)教え諭すだ。」

これは確かにその通りだと思います。相手が答えを持っているといっても、知らないことは出てきません。経営者相手のコーチングだったとしても、何について詳しいのかは相手によって変わってあたりまえでしょう。

相手の詳しい領域についてコーチングを行うときには、コーチングのスタイルで。逆に相手が全く分からない領域について話すときには、教え諭す(ティーチング)で行うことによって、コーチの付加価値は増すのではないでしょうか。

SL理論(状況/対象対応理論)ではないですが、こんなコーチが世の中に増え、ニーズによって選択できるようになれば、世の中的コーチの存在価値も上がるのだと思います。

※当コラムは以前書いていたブログからの転載です。

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