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水平思考で、判断する力を学ぶ-ウミガメのスープ-

「なぜ?」が問えない環境では問いを考える必要がある

水平思考の定番教材(設問集)である「ポール・スローンのウミガメのスープ」をご存知でしょうか。

「ウミガメのスープ」は有名な話なのでご存知の方も多いかもしれません。問題は以下の通りです。

男がレストランに入り、メニューから「ウミガメのスープ」を頼んだ。それを一口食べた彼はレストランを飛び出し、持っていた拳銃で自殺してしまった。なぜだろう。

 
本書は、本という体裁をとっていますが、出題者と回答者に分かれ、質問をしながら進めていく問題集に近い作りです。この問題に対して、その真相を考えます。出題者は、質問に対して「はい」「いいえ」「関係ありません」で答えます。

つまり、「なぜ?」という質問ができません。これがミソです。現実では「なぜ」という質問で一直線に答えに向かってしまい、答えを得て安心してしまいますが、「なぜ」が制約されることで「質問を考える」必要がでてきます。

大きな問いで絞り込む

この「考える」活動は骨が折れます。末梢的な質問では「いいえ」ばかりになってしまいますから「大きな」質問で範囲を絞り込んでいく必要があります。社内で何度かやってみましたが、”結論にたどり着くまでに何手かかるか”でその人の思考力がある程度定量化できるように思います。

頭の中では以下のようなことが繰り広げられます。

  • 仮説を立てる|「おそらくこうなのではないか」
  • 仮説を検証できる質問を考える|「だとするとこの質問で絞り込めないか」
  • 概念化する|「この質問だと「いいえ」になるかもしれないからもう少し抽象度の高い質問をしよう」質問の粒を大きくし、「いいえ」にならないように工夫する
  • 関連付ける|「はい」と仮説を関連づけて、回答を踏まえた次の仮説を立てる


「できる社員は質問の質が良い」とよく言われますが、まさにそれは仮説・検証を繰り返した結果、練度が高まったからといえなくもないでしょう。

水平思考の設問はつくりやすい

ちなみに、真相に納得感がありさえすればどんなものでも水平思考の設問にできます。例えば、「カレイドソリューションズがLINEスタンプを出したのはなぜか?」でも設問としては問題ありません。

余談ですが、事例としてはカードゲームになっている「ブラックストーリーズ」も興味深いです。こちらは水平思考の問題がカードになっていて、カードゲームのように使うことができるという点で、書籍とは異なる特徴を生かしたものになっていますが、内容はウミガメのスープと極めて類似しています。(「ウミガメのスープ」というそのままのカードゲームも発売されたようです。2021年追記)

水平思考では判断する力を学べる

水平思考は新しい状況や未知の問題に直面したときに予断なく判断する力を学べます。判断する力というと「論理思考(垂直思考)」をイメージしますが、こうしたワークでも結果(事実)からその原因仮説を特定する力は学べますし、現実ではアブダクティブに結果から原因を考察する場面がほとんどであることを考えると有用性も高いといえるでしょう。

ロジカルシンキング(垂直思考)の研修では、同時にラテラルシンキング(水平思考)もやった方が網羅的という持論から新人研修では少しだけ水平思考にも触れるのですが、この観点も時には必要なのかもしれません。

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