ビジネスゲーム研修で企業内人材育成の内製化を支援 | カレイドソリューションズ - 研修用ゲームと遊戯用ゲームの違い(2)

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研修用ゲームと遊戯用ゲームの違い(2)

交渉の要素はないんですか?

先般、営業出身の人事の方と商談をしているときに、連続して同じ質問を別な方から受けました。印象的だったので、コラムに書き残します。

ビジネスゲームには様々な類型があります。その中に企業活動の全体像を理解することを目的としたビジネスゲームがあります。企業活動の全体像を示すために製作されているので、仕入や研究開発、製造、販売など様々な部門がゲームの構成要素として盛り込まれています。

そのような中で全ての部門の機能を細かく作りこんでしまうという欲求に駆られることがあります。しかし、それを実装してしまうと「アナログ」(当社はアナログ専業です。)の限界を超えてしまうほど複雑になり、いわゆるゲーマーズゲーム(ゲームフリークの方向けのゲーム)になってしまいます。

「交渉の要素はないんですか?」という問いは、非常に良い質問です。ただし、それは「営業の交渉の現場にいたから入れたくなる営業の『細部』」なのです。実は、「交渉」や「競り」の要素は、それだけでも1つのゲームとして成立するくらい時間がかかります。

テーブルの中だけで行う遊戯用ゲームであれば構いませんが、研修のゲームは多くの場合、20名などの大人数でチーム分けをして行っていますし、また、特定の参加者が仕切ってしまい、傍観者がでてしまう「奉行問題」を避けるためにチームのメンバーに役割を付与しています。このため、交渉を担当する参加者が交渉を行っている間、他の参加者は「待ち」のステイタスとなってしまい、楽しくなくなったしまいます。

複雑なゲーマーズゲームはやりこむことで面白味が増していくので、ゲームの好きな方にとっては非常に面白いものです。しかし、研修ゲームは遊戯用のゲームと異なります。また、複雑性が理解を阻害する程度まで高い場合は、アナログではなく、デジタルが適切になってきます。(この場合、演算はブラックボックスになりますが、シンプルな操作で複雑な事象を処理できます。)

初回でルールの大半が理解できないといけない

さて、タイトルに戻りますが、研修用ゲームの特徴の一つは、「初回でルールの大半が理解できないといけない」ことです。これは、複数回の実施が想定されない研修の特性によるものです。そして、ルール理解の差が研修の学びにあたえる影響が大きい場合、それは参加者の不満につながります。このため難しいルールは敬遠される傾向があります。もちろん、練習によって解決できる場合もあります。

また、熟練によって打ち手の豊富さが発見される程度や、やってみたら簡単というものであれば可と考えていますが、「全く分からない」だとその後の印象や学びに響いてきます。

実施形態が大きく異なる

また、研修用ゲームのもう一つの特徴は、チーム対抗戦という実施形態をとることが多いことです。一般的に研修の参加者は10名~30名程度だからです。それに対して、遊戯用ゲームの特徴は、テーブル内の個人対抗戦です。3~6名程度のゲームが大半です。もちろん大人数のものもあり、個人対抗戦ではない例もあります。「協力ゲーム」は、個人対抗ではなく、ゲームシステム打倒を目指すものですし、自然発生的に生まれる1位を全員で攻撃するのは広い意味でチーム戦といえます。が、やはりそれらは少数派で基本的には個人対抗戦です。

つまり、研修用と遊戯用では「実施形態が大きく異なる」のです。個人対抗戦は、他のプレイヤーを待ちますが、その一手が自分に影響を与えますから、どんな手が打たれるのかハラハラさせられたり、時には口を挟みたくなります。ところが、上述のようにチーム対抗戦で役割が分業されている場合、ただ待つだけとなり、待ち時間の長いだけのつまらないゲームになってしまうのです。

2つの違いへの対策

この、「初回でルールの大半が理解できないといけない」から、研修用のゲームでは、遊戯用のゲームで「8歳以上向け」程度のゲームよりも難易度が高いものにしないことをマイルールにしています。場合によっては、ジグソーメソッドを活用します。

それによって、個人が持つルールの量としては「8歳以上向け」程度にとどめ、チーム全体としては、「10歳以上向け」程度の情報量にします。また、念のためお伝えすると、8歳以上向けのルールだからといって、会社員の皆様が8歳程度の知力だと言っているのではありません。8歳以上向けというのは、遊戯用で繰り返しやった場合に8歳で理解できるという意味だと考えています。それくらいのものであっても、「初めて聞いた」ルールを正しく理解するのは参加者の一部にとっては困難なのです。

また、「実施形態が大きく異なる」ことから、特定の役割の重みが増してしまう要素は排除するのが鉄則です。研修の目的を会社の全体像理解とした場合、参加者には営業職以外も入っていることが想定されますし、営業職だけだったとしても、交渉の要素をいれることは、営業研修にはなっても、全体像理解を目的とした研修ではなくなってしまいます。特定の部門の活動が全体の中で過剰な割合になると感じた場合は危険信号なのです。

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