ビジネスゲーム研修で企業内人材育成の内製化を支援 | カレイドソリューションズ - “Game×Learning×job”の裏話とリフレクション

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代表コラム

COLUMN

“Game×Learning×job”の裏話とリフレクション

6/11に東京大学の工学部2号館にて、Game×Learning×jobを実施しました。

詳細は、ゲーミング勉強会の福山さんの開催報告をご参照頂くとして、私の気づいた点をつらつらと書いてみます。私の使ったスライドは、ページ最下部にslideshareをしておきました。(写真は後日・・・)

0.実施前

今回のワークショップは、予定されていた、”Game×Learning×geo”(ジオグラフィーですね。)の代打的に、geo→geob→jobとなり実施が決定したとかしないとか。

さて、コンテンツを提供することになって、ふと困りました。

以前、「参加者減少。でも研修を行なう時代に。」「研修ニーズは実は短時間なのかも」というエントリに書いたのですが、時間が厳しい。


1時間~1.5時間でできるビジネスゲームって多くないのです。整理したところ、短く終わるのは反復訓練型がほとんど。「反復訓練型」のヨシノミクスとかトラブルシューターでも良いのですが、学習感が古くさい。と困ったあげく、弊社のコンテンツを独占販売頂いている会社さんに相談しました。

パラダイスを使ってもよいですか?」

「良いですよ。」

快諾頂き、今回はパラダイスが使用されることになりました。

※パラダイスについては、採用選考で使うという特性上詳しい内容は公開しておりませんが、すこーし開発時のメモがこちらに残っていました。

その後、今回の司会の早稲田大学の福山さん( Twitter:@fumituki85 ) 、東京大学の池尻さん( Twitter:@ikejiriryohei )という、学習について研究していて、ゲーム開発者でもあるお二人と何度も打ち合わせ(?)をして、カリキュラムや振り返りの内容が決定しました。

意識したのは、ゲームの目的を最後まで明かさないこと。学びをぼやけたままにし、何が学べるのかを考えてもらいつつ、「ゲーム観」という造語を用いて、ふりかえることにしました。

1.アイスブレイク

イデンティクというボードゲームを使いました。絵を見て、ディレクター役が口頭でその絵の内容を語ります。それを参加者が鉛筆で用紙に表現していくというゲームです。

これは、昔少し「ルール理解の楽しみ」というエントリで書いた、「発信者は思っている内容の8割程度しか発信できず、受信者は聞いた内容の7割程度しか理解できない」という経験則をうまーくゲームにしていると思います。

2.福山さんプレゼン

ここは、福山さんのブログに詳しいですが、私の見方としては、海外と日本でビジネスゲームが異なる発展をしてきていること、例えば、使われる用途が異なったり、ICT化や教育投資が遅れている点などから、日本はややガラパゴスだなと感じました。トレンドとしてはその通りだな感じます。

3-1.ゲーム体験~アイスブレイク~

ビジネスゲームの体験を行ないました。中身については、少し前のエントリに書いた開発裏話を読んで頂くとして、まず導入での工夫を3つ紹介します。

まず、「安全確保」です。これは、アイスブレイク技法の「チェックイン」という方法を使っています。ゲームだと勝ち負けがありますので、負けても安心だということを伝えます。心理的安全性を確保するために重要なことです。

逆に負けても安心だと、やる気がさがることがあります。なので、「勝ちにこだわる」をルールにしました。

最後にもう一つ、「うなづき理論」というのを使いました。私はとっても滑舌が悪いのですが、先日参加したアイデア創発ワークショップで、プレゼンターの石井さんが紹介していたのをみて、「これだ!」と思い、アイスブレイクに導入しました。岡山県立大学の教授の理論だとのこと。(石井さんは今回はるばる仙台からご参加いただき、今回のことを記事にしてくれました。軽快な語り口が面白いので、是非!)

3-2.ゲーム体験~ルール説明~

今回のパラダイスは総合力が問われる設計にしています。実際のビジネスと同じく、基本となる法(ルール)は決まっていながら、そこの中での振る舞いやルールの解釈は参加者にかなり任されます。このルールは、「答えを求める」方々には、高いストレスがかかると思います。ただ、実社会って、ルール通りにいくことなんてないし、マニュアル通りにいくこともほとんどなく、そこは、当事者間での「握り」がガッチリできるかが肝心になります。その点で、このゲームは社会そのものです。

さて、そのゲーム自体の特殊性、「ルールの自由度が高く、実際のビジネスと同様に自由な交渉ができる」「ルールは解釈と交渉と合意によって作り出せる」という点をじわじわと醸し出しつつ、ルール説明を進めました。

また、解釈は一つのクリエイティブな活動とも考えられます。また、同じルールでも時間が経過するにつれて、そのテーブル独自のルールができていきます。(世界はこのようにして多様になっていったのかと思うことも。)これを経験するのはバツグンに面白い。

3-3.ゲーム体験~ゲーム実施~

ゲームの内容は、現在「採用選考」向けに使われることもあり、詳述するのは避けます。すみません。

ただ、ビジネスゲームを楽しくしようという試みはかなり取り入れられています。「人間は悩むと楽しいという発見」があったのですが、その要素はうまく機能していたようです。

今回のコンテンツで、追加で盛り込んだ要素として、「発見の余地」というものがあります。以前、法学部で勉強しているときに感じた屁理屈っぽさ、例えば、「できる」と書いてあるけど、それは「やらなくてもいい」と解釈できるとか、そういうヒッカケは意識的にいれています。こういうのに気づいた時の「アハ!」と「ドヤ!」という感じは1つの楽しさになります。ガチガチにしてしまうと「ヤラサレ感」がでてしまいます。

また、自由度を極限まであげるために、ルールで禁じられていないことは基本的に交渉で決められるようになっています。

こう書くと簡単そうなのですが、ここまでバランスを取るのには、10回以上ものテストがありましたが、ここは苦労話を書くところではなさそうなので、またの機会に(笑)

4.レクチャー&リフレクション

私よりレクチャーを行ないました。(下にスライドを公開しています。)内容的には、「文字だけでも面白い」とコメントを頂いたので、嬉しく思いました。

私は、以前からいくつかエントリに書いている通り、学習観の不整合が学びを邪魔していると思っていますので、そこを中心にお話ししました。

過去には例えば、「学びの深度」ではつい提供者はアンケートに迎合してしまう問題、「コーチング実施企業の抱える自己矛盾」では、教育観と学習観のズレについてかいています。

このもやもやを少し「ゲーム観」というコンセプトで整理してみました。

リフレクションでは、全体で起こったことから何かを浮かび上がらせたかったので、ワールドカフェ的なやり方をとり、「テーブルで起こったことと自分のゲーム観とパラダイスの用途の整理」を行なっていただきました。

やっていただいたところ、自分のテーブルで起こったことを話したくて仕方ないというような熱がとても伝わってきました。反面、自分のゲーム観を考えるところまでは時間的に難しくなってしまいました。ゲームというのは、少し人を過剰にフローにいれるところがあるので、そこはいつも気をつけなければと思います。

内容は、もう少し発展させて、ブルーナーの人間の思考様式「論理-科学的様式」「物語的様式」などもいれると、ビジネスゲームがもう少し分かりやすくなったかなと思いますが、講義型研修になってしまいそうだったので、割愛(笑)

5.ラップアップ~福山さんより~

最後に福山さんから、私の素朴理論を学術的に読み解いて頂きました。メジローの変容学習、アージリス&ショーンのダブルループ学習、ワイナーなどの原因帰属理論、ドゥエックのマインドセットの話など、知見に富む話が続々と。

中には、福山さんが先日「日本ゲーミング&シミュレーション学会」で発表されたばかりのできたてほやほやの知見も。良いまとめだったと思います!

結局、今回は、「学習観の変化に応じて、ビジネスゲームの目的も変わっていく」こと。

そして、ビジネスゲームには個人が持つ「ゲーム観」によって多様な用途があり、何が「良い」かは各人が意味づけするということ。

以前、ラーニングバーで、三井物産の渡辺さんより、三井物産のスローガンに「良い仕事」というセンテンスが入っていることを伺いました。これは、今回のワークショップでも登場した「社会構成主義」的に「良い」の意味づけを自分たちが行なうという考え方かなと。

6.懇親会

ゲームの熱が冷めないのか、これまで懇親会に参加したことがないという方までが懇親会に参加頂くなど、大盛況の会となりました。

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